小泉信三記念講座、北朝鮮問題の11年2018/11/10 07:16

 5日、三田キャンパス北館ホールで、小泉信三記念講座、平岩俊司南山大学 総合政策学部教授の「金正恩政権の北朝鮮と国際社会」を聴いた。 以前も書 いたことがあるけれど、この講座、せっかくの素晴らしい講演企画なのに、い つも聴衆が少ないのが残念で、周知に工夫が必要だと強く思う。

 平岩俊司教授は、1987年の東京外国語大学朝鮮語学科卒業だが、近代史のゼ ミで兪吉濬(ユギルチュン)の『西遊見聞録』を研究した。 兪は、朝鮮初の 日本留学生として慶應義塾に学んだ一人で、『西遊見聞録』は福沢諭吉の『西洋 事情』を翻訳したような内容だった。 それで慶應義塾大学院で、小此木政夫 教授に師事したという。

 実は私、11年前の2007年8月3日に、同じ小泉信三記念講座で、小此木政 夫法学部長の「北朝鮮核問題と日本外交」を聴いて、この日記に詳しく書いて いた。

体制「生き残り」のための核<小人閑居日記 2007. 8.7.>

http://kbaba.asablo.jp/blog/2007/08/07/

北朝鮮の核に対するアメリカの政策の変遷<小人閑居日記 2007. 8.8.>

北朝鮮核問題、日本の戦略<小人閑居日記 2007. 8.9.>

 小此木政夫さんは当時、日米同盟、米韓同盟と日韓協力を堅持して、約10 年間と考えられる過渡期を平和的に管理する戦略を提言していた。 短期的に は(1)「強制」外交を維持し、(2)非核化の進展につれて「共存」外交を並行 させる。 長期的には(3)体制「変革」外交、すなわち北朝鮮経済の開放改 革から市場経済化、さらには資本主義化の促進へと導く。 この新しい戦略の 根幹は、対決でも、宥和でもない、長期的かつ段階的な体制「変革」戦略だ。  北朝鮮の体制変革なしに、核問題の最終解決はないという“認識”に立って、 帰納的に推論することが重要だ、というのであった。

 では、平岩俊司さんは、どう語ったか。 明日から、見ていくことにする。