金正恩政権は何をめざすのか?2018/11/12 07:03

 平岩俊司教授の講演、(3)金正恩政権は何をめざすのか? 金正恩委員長の イメージは、義理の叔父張成沢処刑、実兄金正男氏殺害、「叔父殺し、兄殺し」、 繰り返される粛清、異様な粛清の方法などであるが、これには朴槿恵政権の意 図的な情報操作、メディアの誇張、異様なアッピールという面がある。 一方、 高潔な指導者というイメージもおかしい。 金日成から三代目、金正日から三 男・金正恩へ、準備された権力構造から自らの権力構造への権力闘争と評価す べきで、そこで繰り返される粛清。 金正日政権は、冷戦終結に対応した危機 管理体制としての軍優先の先軍政治(最終的に軍がどちらにつくかが問題)で、 ルーマニアのチャウシェスク政権の崩壊と、中国の天安門事件を教訓にした。  金正恩政権の歴史的「使命」は、先軍政治から党中心へ、本来の革命へ軌道回 帰すること。 核と経済の並進路線の「勝利」を謳い、経済建設中心路線への 転換を図る。

(4)金正恩政権は核を放棄するか? 三つの解釈がある。 1. 核ミサイル 完成のための時間稼ぎ。 2. 核放棄の戦略的決断。 3. 米国次第。 平岩さ んは、「日和見」だからと3.の立場、核ミサイル一発二発でゲームの局面は大 きく変わらない、北は交渉に出て来ている、とする。 核放棄の可能性は、米 国、国際社会次第で、「一方的放棄はあり得ない」。 李容浩外相も国連総会で 「一方的に核武装を解除することは絶対にあり得ない」。 「朝鮮半島の完全な 非核化」は、「敗戦国」の武装解除ではない点に注意する必要がある。