「冬の朝」と「枯木立」の句会2018/12/19 07:04

 12月13日、三田演説会(25日に等々力短信に書く予定)を聴いた後、渋谷 行きバスに並木橋まで乗り、「夏潮」渋谷句会に出た。 兼題は「冬の朝」と「枯 木立」、私はつぎの七句を出した。

寒暁や電話は友の訃を伝へ

冬曙烏集ひてけたたまし

冬の朝今朝も生きてる有難し

たれひとり歩む人なし枯木立

枯木立修行の僧と擦れ違ふ

村外れ一族の墓枯木立

寒林にいずくともなく風の音

 私が選句したのは、つぎの七句。

校庭に押しくらまんじゅう冬の朝      なな

通勤の足取り重き冬の朝          祐之

寒暁の茜さしこむビルの間(あい)     盛夫

豆腐屋の湯気濛濛と冬の朝         正紀

冬の朝市場以外は眠りたる         明雀

枯木立仰ぎて露天風呂であり        和子

日の影に枝の気配や枯木立         正紀

 私の結果。 <村外れ一族の墓枯木立>が英主宰選、<寒暁や電話は友の訃 を伝へ>を庸夫さんと真智子さん、<たれひとり歩む人なし枯木立>を庸夫さ ん、<枯木立修行の僧と擦れ違ふ>を正紀さん、<寒林にいずくともなく風の 音>を淳子さんが採ってくれ、主宰選1句、互選5票の計6票だった。  <村外れ一族の墓枯木立>の主宰選評、田舎によくある墓場、夏は茂ってい てそれとわからないが、冬は誰にもわかる。 「村外れに」とした方がよいか と思うが、それは作者の選択。

 英主宰は総評で、「冬の朝」も「枯木立」も吟行だとよく見る景だが、兼題だ と難しい、と。 「冬の朝」は、やはり『枕草子』の「冬はつとめて」の様子 が響く。 <ゆるやかに道曲がりゆく枯木立 裕子>のような句の良さがわか る人の多い、この句会は良い句会だ。 はっきり景が見える、懐かしいし、親 しめる。 主宰は、初参加の人に、頑張らないように、とアドバイスしていた。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「等々力」を漢字一字で書いて下さい?

コメント:

トラックバック