高級乳製品「蘇(そ)」と「白牛酪」2018/12/22 07:17

 15日に平城宮・京跡から出土した荷札木簡には、上総国(千葉県中部)から 送られた高級乳製品「蘇(そ)」があった、と書いた。 それで思い出した。  7月7日の朝日新聞土曜版の「みちものがたり」が「嶺岡牧(みねおかまき) の白牛が歩いた道」だった。 白牛が毎年、江戸城まで歩いたという話だった かな。 メモしてあったのは、11代将軍の徳川家斉が、「白牛酪」を好んだと いうことだった。 牛乳に砂糖を混ぜ、石鹸ぐらいに煮固めたものだそうだ。  これは「蘇(そ)」ではないのだろうか。 今も土地には、「チッコ(乳っ子) カタメターノ」というものがあるそうだ。 初乳(生乳と成分が異なり出荷で きない)を豆腐状に固めたもの、味噌汁や料理に入れたりするという。 ある ブログを見たら、8代将軍の徳川吉宗がインドから白牛を輸入したのが始まり で、将軍への献上品だった「白牛酪」は、やがて一般にも販売されたから、こ こが日本酪農発祥の地だとあった。

 そういえば、「醍醐味」という言葉がある。 『日本百科全書・ニッポニカ』 には、「「最高の美味」を意味する仏教用語。牛乳製品を発酵の段階にしたがっ て五つ、乳(にゅう)、酪(らく)、生酥(しょうそ)、熟酥(じゅくそ)、醍醐」 に分け、それら五つの味を五味(ごみ)といい、あとのものほど美味であると する。」とある。 チーズは、どれにあたるのか。 

嶺岡牧は、房総半島の南部、現在の鴨川市と南房総市にまたがる山にあった 大きな牧場。 平安時代にはすでに馬が飼われていたらしく、江戸時代には全 国に4カ所あった幕府直轄の「牧」の一つだった。 『日本百科全書』「牧」 には、「下総の小金五牧、佐倉七牧など多くの直轄牧場を整備し」とある。 「牧」 は、大化改新(645年)以前の文献にも現われ、改新後、牧は律令国家の一翼 として制度化され、漸次整備されていったという。 668(天智天皇7)年7 月、牧を多く置いて馬を放たせたとあり、700(文武天皇4)年3月、諸国をし て牧地を定め牛馬を放たしめたことがみえる。