フランスで評価された福沢の婦人論[昔、書いた福沢208]2020/01/31 06:57

 今年2020年1月10日の第185回福澤先生誕生記念会では、西澤直子福澤研 究センター教授、副所長の講演「認めあう社会―福澤諭吉の女性論・家族論に 学ぶ」が素晴らしかった。 それは、いずれ書かせてもらおうと思っているけ れど、15年前にも福沢の婦人論の話があった。

    フランスで評価された福沢の婦人論<小人閑居日記 2005.1.11.>

 きのう10日は福沢諭吉の誕生日、暮からの風邪が完全には抜けず、念のた め残念ながら170年目の誕生記念会は欠席した。 年賀状を読んだ某会社の顧 問をしている友人が、サンケイ新聞は読んでいないだろうと、1月5日付の切 抜きを送ってくれた。 顧問というのは新聞を読んでいる役で、正月会社に出 て見つけたのだろうと思ったが、わざわざ送ってくれるというのがうれしい。 

 記事(山口昌子記者)は、フランスの国立東洋言語・文化研究所(INALCO)日本 研究部門のマリオン・ソシエ教授が、『福翁自伝』の仏語訳に取り組んでいる話 で、翻訳する気になったのは、特に福沢諭吉の当時としては革命的な家族観に、 本家革命の国の国民として共感したからだという。 福沢は9人の子供を男女 の別なく愛し、一夫一婦制を強く主張した。 『福翁自伝』が聞き書きされた のは、1897(明治30)年11月から翌年5月で、ソシエさんは、日本が開国以来 進歩してきたのに、この頃には古い考えが復活してきて、福沢の激しい一夫多 妻批判の言葉には日本の近代化が後戻りしないようにとの、強い警告が込めら れているという。 さらに、女性の独立自尊を説いた他の書物と合わせ『福翁 自伝』を読むと、福沢は単に西洋の考えを取り入れただけの人でなく、自分の 考えを明確に持った啓蒙者であったことがわかるという。

小人閑居日記 2020年1月 INDEX2020/01/31 07:27

「私の福沢諭吉」俳句「読書渡世」<小人閑居日記 2020.1.1.>
柳家小はぜの「厄払い」<小人閑居日記 2020.1.2.>
鈴々舎馬るこの「八幡様とシロ」<小人閑居日記 2020.1.3.>
林家正蔵の「幾代餅」前半<小人閑居日記 2020.1.4.>
林家正蔵の「幾代餅」後半<小人閑居日記 2020.1.5.>
柳家花緑の「粗忽の使者」前半<小人閑居日記 2020.1.6.>
柳家花緑の「粗忽の使者」後半<小人閑居日記 2020.1.7.>
柳家権太楼の「鼠穴」上<小人閑居日記 2020.1.8.>
柳家権太楼の「鼠穴」中<小人閑居日記 2020.1.9.>
柳家権太楼の「鼠穴」下<小人閑居日記 2020.1.10.>
横浜山手散歩、居留地・外人墓地[昔、書いた福沢188]<小人閑居日記 2020.1.11.>
橋本五郎さん「ジャーナリストとして福沢から学ぶもの」[昔、書いた福沢189]<小人閑居日記 2020.1.12.>
福沢研究集中月間[昔、書いた福沢190]<小人閑居日記 2020.1.13.>
北里柴三郎と福沢諭吉[昔、書いた福沢191]<小人閑居日記 2020.1.14.>
北里柴三郎とノーベル賞[昔、書いた福沢192]<小人閑居日記 2020.1.15.>
「福澤諭吉かるた」と「諭吉かるた」[昔、書いた福沢193]<小人閑居日記 2020.1.16.>
小室正紀さんの「草間直方と福沢諭吉」[昔、書いた福沢194]<小人閑居日記 2020.1.17.>
早慶戦100周年記念試合[昔、書いた福沢195]<小人閑居日記 2020.1.18.>
福沢諭吉の「無限の苦痛」[昔、書いた福沢196]<小人閑居日記 2020.1.19.>
「マヽヨ浮世は三分五厘」[昔、書いた福沢197]<小人閑居日記 2020.1.20.>
福沢諭吉169回目の誕生日[昔、書いた福沢198]<小人閑居日記 2020.1.21.>
「生命を寿ぐ-高校生の声の力」[昔、書いた福沢199]<小人閑居日記 2020.1.22.>
中川眞弥さんの「福澤諭吉の年少者向け著訳」[昔、書いた福沢200]<小人閑居日記 2020.1.23.>
築地居留地の遊廓[昔、書いた福沢201]<小人閑居日記 2020.1.24.>
書の作品が読めない[昔、書いた福沢202]<小人閑居日記 2020.1.25.>
  短信 お正月の「俳句日記」<等々力短信 第1127号 2020(令和2).1.25.>
文字使用の歴史[昔、書いた福沢203]<小人閑居日記 2020.1.26.>
「俳人たちの『みやこ』--与謝蕪村」[昔、書いた福沢204]<小人閑居日記 2020.1.27.>
田中彰さんの「私の明治維新」[昔、書いた福沢205]<小人閑居日記 2020.1.28.>
坂本竜馬の「日本を今一度洗濯いたし申候」[昔、書いた福沢206]<小人閑居日記 2020.1.29.>
岩波文庫『福沢諭吉の手紙』が出ます[昔、書いた福沢207]<小人閑居日記 2020.1.30.>
フランスで評価された福沢の婦人論[昔、書いた福沢208]<小人閑居日記 2020.1.31.>