柳家小志んの「松竹梅」2020/02/02 07:53

 小志ん、腰を落とし、左手を突っ張って、出てくる。 黒の羽織に、薄いク リーム色の着物。 42歳で、ライバルは海老蔵さん、と。 いろんな所で演る。  ロータリークラブの会で演ったが、途中、ガバナーが帰ったら、みんなが送り に行って、誰もいないところで南京玉すだれをやっていた。 結婚式の司会も やる。 清太郎さん、香織さんの式で、「シェイタロウさん」と、いきなり噛む。  親戚のおじさんが聞く、柳家小志んてぇと、やっぱりプロ目指してんの? や っぱり落語やるの? 結婚式では忌み言葉がある、親類のお母さんが落語好き で、「死神」知ってる? と聞く。 ニコニコしていたら、知らないの? と。 今 は、〇〇ホテル、〇〇文化会館とかでやるが、昔は家でやった。

 松さん、竹さん、梅さんの所に、三人揃って来てほしいと、伊勢屋の小僧が 手紙を持って来た。 読めない。 竹、封を切ったから、読め。 俺が付き合 った字がない。 梅は? 残念、絵が一つもない。 三人して、からきし読め ない、横丁のご隠居、物知りだし、お調子者だ、ワーーッとおだてりゃあ、読 んでくれる。 拝見しましょう。 三人無筆、読めない、書けないのかい、今 時、おい婆さん、こいつら無筆なんだ。 ハイハイハイ、ウンウンウン、結婚 式の招待状だよ、今晩の婚礼にお呼ばれだ、ご馳走してくれる。 飯、食わし てくれるのかい、ありがてえ。 含みがある、三人並ぶと松竹梅、座を賑やか に、陽気にする、余興、隠し芸をやって欲しいんだな。 オットセイと一緒か。  仲間の宴会で大笑いになったことがある。 まず帯を解く、着物を脱ぐ、長襦 袢を脱いで、肌襦袢も脱ぐ、足袋もフンドシも脱いで、逆立ちをして歩く。 駄 目じゃね。

 私の考えを入れてもらう、三人で、大名の殿様、太郎冠者、次郎冠者になる。  松さんが「なったなったじゃになった、当家の婿殿、じゃになった」、竹さんが 「何じゃに、なあられた」、梅さんが「長者になあられた」とやる、「長者にな りまして、おめでとうございます」とやるんだ。 ヘェーッ、ご隠居は何でも よく知っていますね、天才だ。 謡の調子でやるんだ。 いつも三軒掛け持ち する、最初はおでん屋。 それは、屋台だ。 白扇を使う。 婆さん、貸して くれませんか、三本。

 (謡の調子で)、ハッヘッ、喉が自慢でね、「ナッター、ナッター。ナッター、 ナッター。」 相撲じゃない、柔らかい調子で、粘りをつけて。 「ナッター、 ナッター。ナットウ、ナットウー。」 下っ腹に力を入れて。 「ヘッ、ナッタ ー、ナッター、ジャニナッター、ウワッ。隠居さん、紙、下さい。」 一本調子 でやってみな。 「ナッター、ナッター、ジャニナッター。」 それが一番うま いな。 竹さんの太郎冠者だ。 義太夫が好きで、始終観にいってる。 「何 じゃに、なあられた。」 しまるな。 梅さん、次郎冠者。 家で稽古するよ。  松さんは、大名だから、最初に口上を言うんだ。 「本日はお日柄もよろしく、 おめでとうございます、松竹梅、お招きをいただきまして、有難うございます、 三名でご祝儀をつけさせて頂きます。」とな。

 時刻になって、三人、伊勢屋に飛び込む。 婚礼、端(はな)は陰気だ。 お い、松、先にやって、ゆっくり飲もう。 口上をやる、相手の隙(すき)をつ いてな、「口上の隙」ってえぐらいだから。 今、やる。 三人で、ご祝儀をあ げてくれるのか。 ご案内を頂きました、手前どもは出入りの職人で、三名で ご祝儀をつけさせて頂きます。 待ってました! 扇子持って、頭下げて、上 げる。

 「なったなったじゃになった、当家の婿殿、じゃになった」、「何じゃに、な あられた」、「大蛇になあられた。」 違うよ。 只今のは、稽古で、これからが 本番。 「番茶になあられた。」「ほうじ茶になあられた。」 家で稽古して来る って言ってたろ。 「なったなった、やんなった。」 梅さん、泣きながら、「亡 者になあられた。」

 大変なしくじりで、隠居さん、逃げるようにして帰って来ました。 梅さん は、どうした? 床の間で赤くなって、小さくなっていた。 心配いらない、 梅さんだから、今頃は婚礼もお開きになっただろう(小志んは、手で花が開く 恰好をした)。

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