「旧暦」…本井英先生「俳句日記」から2020/06/11 06:57

 本井英先生がふらんす堂のホームページに毎日連載されている「本井英の俳 句日記」(http://furansudo.com)から、われわれの暮らしと旧暦の関係に触れ られている、いくつかを紹介したい。

1月25日、<歩道橋から旧正の富士望み> 旧正、旧正月。 「旧暦をすっ かり忘れた日本人を私はあまり信用しない。」

2月4日、<春立つやけさもダイヤはやや乱れ> 「露の衣裾は濡れけり」 の前句に、荒木田守武が「佐保姫の春立ちながら尿(シト)をして」と付けた (『犬筑波集』)。 「雅」の権威に対するアンチテーゼが、俳諧のエネルギーの 源。

2月16日、<かまくらや雪すくなきをかこちつつ> 「夏潮」新年会は旧暦。  戦前の新聞は、旧暦日付を併記していた。 雪国は、今日がかまくら。

3月1日、<石階を草萌掩ひはじめたる> 三浦半島剣崎灯台の看板、明治 四年正月十一日初灯、英語で1871年3月1日。

4月1日、<目つむれば日のぬくとさや四月馬鹿> 苗字「四月一日」わた ぬきさん、真綿を抜いて「袷(あわせ)」を着る日。 今、「袷」はスリーシー ズン、夏は「単衣」の印象。 季題の一角が揺れ始めている。

4月12日、<蓋とれば海苔だんだんや蠅生まれ> 今年は今日がイースター、 受難と復活の日。 西洋でも満月基準なので、旧暦を威張ってよい。

5月23日、<リフトてふ空中散歩山法師> 旧暦、月の満ち欠けだけだと1 年354日、11日ずつ日付が「前倒し」になる。 そこで19年に7月、閏月を 入れ辻褄を合せる。 今日から閏四月。

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