山オンチの見る「日本三百名山全山人力踏破」2020/09/22 07:03

 前にも書いたが、朝、BSプレミアムで朝ドラ『エール』を見て、火野正平の「にっぽん縦断 こころ旅」を見る。 コロナの関係で、「にっぽん縦断 こころ旅」の収録が進まなかったのだろう、21日の再開までは、「グレートトラバース3~日本三百名山全山人力踏破~」をやっていた。 プロアドベンチャーレーサーの田中陽希(ようき)さん(1983年生れ)という人が、2018年1月2日の屋久島の宮之浦岳をスタートに、3年かけて、南から北へ、日本三百名山全山を自らの力だけで登り、交通機関や車は使わず、海峡はシーカヤックで渡る、総移動距離1万キロを超す、前代未聞「一筆書き」の大冒険だ。 現在は、9月16日に274番目の岩木山に登頂したところだ。

 8月、9月の番組では、2018年秋の立山から、槍、穂高、御嶽などの飛騨山脈の山々を登っていた。 山登りなどしたことがなく歳を取ったので、知らないことが多かった。

 まず、山の名前が読めない。 というより、読んでも間違っている。 川上岳、下呂市と高山市にまたがる1625mは、「かわかみだけ」でなく「かわれだけ」。 大天井岳(2922m)は、「おおてんじょうだけ」でなく「おてんしょうだけ」。 鷲羽岳(2924m)は、「わしゅうだけ」でなく「わしばだけ」。 川上岳と同じ日にやった位山(1529m)は、「くらいやま」でいいのだが、上代、この山のイチイの木が笏(しゃく)材に賞用されたので、位を賜って一位の木と称し、山を位山といったと伝わっている。

 さらに、北アルプスが飛騨山脈で、木曽山脈が中央アルプス、赤石山脈が南アルプスというのも知らなかった。 飛騨・木曽・赤石の三山脈を総称して「日本アルプス」と命名したのは、1881(明治14)年、イギリス人ガウランド(W.Gowland 1842-1922)で、ウェストン・小島烏水によって呼称として定着したそうだ。

 第一に驚くのは、登山道がよく整備されていることだ。 縦走路が切り拓かれていて、草刈などもなされている。 ごくたまに整備されていないところがあると、藪になっていて枝を払いのけながら進まなくてはならなくなる。 木道やはしご、掛け橋、岩場の「鎖場」と称するところの鎖やロープは、いったい誰が最初に、材料を担ぎ上げ、設置したのだろうか。 維持管理も必要だろう。 気の遠くなるような作業量と努力だ。 地元の山岳会や有志、ガイド団体、山小屋の経営者の奉仕などが考えられる。 国有林では林野庁が管理しているところもあるらしいが、自治体の関わりもあるのだろうか。 また、コースを外れないよう、岩に〇や×、木の枝にピンクのテープなども、つけてある(「マーキング」というそうだ)。