孔子様は「詩を読みなさい」とおっしゃった2021/05/28 08:09

 虎杖、石蕗、無患子、木通、辣韭、杜鵑、翡翠、鵙、栗鼠、蚯蚓などという植物や動物の名が、お読みになれるだろうか。 私は、俳句をやるようになってから、読めるようになったものが多い。

 『ヤマザキマリ対談集』(集英社)の冒頭が、養老孟司さんで「世界は予測不能、だからおもしろい」だった。 その中に、前に『まいにち養老先生、ときどき まる』スペシャル<小人閑居日記 2021.4.4.>でちょっと触れた、「都会に住んでいる人は参勤交代みたいに定期的に田舎に行くといい」という養老孟司さんの持論が出てきた。

 唐の時代にはもう大都会があって、李白が「山中問答」という詩で「別に天地の、人間(じんかん)にあらざるあり」と書いている、「天地」は自然、「人間」は世間のことで、現代の都会人みたいに、頭の中に人の世界しかなかった李白が、田舎に行くことで「ああ、自然があった」と気づいたという。

 それどころか、紀元前から、そうしたことはあって、孔子が「詩を読みなさい」と言ったと『論語』陽貨編十七の九に書いてある、のだそうだ。

「子曰く、小子、何ぞ夫の詩を学ぶこと莫きや。詩は以て興こすべく、以て観るべく、以て群(ぐん)すべく、以て怨むべし。邇(ちか)くは父に事(つか)え、多く鳥獣草木の名を識(し)る。」

 ネットに、現代語訳があった。 「孔子先生はおっしゃった。 お前たち、どうして詩を学ばないのだ? 詩はお前たちの心を奮い立たせてくれるし、観察眼を鍛えてくれるし、人間関係を良くしてくれるし、恨み言さえ上手くなる。 家では親孝行でき、主君には忠実になれる。 また鳥や動物、草木の名前を憶えることができるのだ。」

 最初の十問は、いたどり、つわぶき、むくろじ、あけび、らっきょう、ほととぎす、かわせみ、もず、りす、みみず。