朝食はお粥、粥有十利(しゅうゆうじり) ― 2021/08/12 07:02
「ライオンの家」の朝食は、365日お粥(かゆ)、毎朝違うお粥がゲストに供される。 最初の日は、小豆粥、ふわふわと湯気が踊っていて、木の匙にすくって、一口食べると、「しあわせ~」という最上級のおいしさの表現が、口からこぼれた。 トッピングには、梅干しや昆布、塩鮭や鯛味噌などが並んでいる。 それなしに、小豆粥を食べれば食べるほど、おなかの底がぬくぬくして、乾いた大地に水が染み込む。 お粥の滋養が、体の津々浦々へと行き渡っていく。
「粥有十利(しゅうゆうじり)といって、お粥には十のいいことがあると言われています」 マドンナが言った。 「色艶がよくなる。力が出る。寿命が延びる。安らかになる。頭が冴えて口の中が爽やかになる。消化がよい。病気を防ぐ。飢えをいやす。渇きをいやす。お通じがよくなる。」
粥有十利(しゅうゆうじり)という言葉も、読み方も知らなかった。 ネットで調べると、曹洞宗の開祖、道元禅師が僧堂に赴(おもむ)いての朝食の粥や昼食の飯を頂く作法を『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』という著書に書いていて、その中に『摩訶僧祇律(まかそうぎりつ)』という仏典から、「粥有十利」を引用しているのだそうだ。 現在も永平寺で雲水の修行中は、毎朝の食事はお粥で、永平寺ではお粥とは言わず、粥(しゅく)もしくは浄粥(じょうしゅく)と呼んでいるという。 「粥有十利」…粥には十の功徳がある。 一[色]体の血つやが良くなり、二[力]気力を増し、三[寿]長命となり、四[楽]食べ過ぎとならず体が安楽、五[詞清辯]言葉が清く爽やかになり、六[宿食除]前に食べたものが残らず胸やけもせず、七[風除]風邪を引かず、八[飢消]消化よく栄養となって飢えを消し、九[渇消]のどの渇きを止め、十[大小便調適]便通もよい。(広島市の曹洞宗八尾山普門寺吉村昇洋副住職のブログ『彼岸寺』2007年2月18日)
発酵学の小泉武夫さんの『丸ごと小泉武夫 食マガジン』「禅が教える「お粥」の10の効能とは?」2016年1月23日には、「永平寺流・お粥レシピ」があった。
【材料】・玄米0.5合(約75g) ・水1000cc ・塩 ひとつまみ
【作り方】(1)さっと研いだ玄米を鍋に入れて、分量の水に一晩つける。 (2)(1)に塩を加え、強火にかける。 (3)沸騰したら、軽くかきまぜ、蓋を少しずらして、弱火で50分炊く。 (4)仕上げに、5分ほど蒸らす。
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