国際連盟から国際連合へ、国連の問題点2021/08/20 07:03

 中学校の社会科で、国際連盟や国連(国際連合)のことを習った。 国際連盟は、第一次世界大戦後、アメリカのウィルソン大統領の首唱により、ヴェルサイユ条約の規定に従って1920(大正9)年1月に成立した、世界平和の確保と国際協力の促進とを目的とする諸国家の組織。 本部はスイスのジュネーブ。 加盟国は50か国余に達したが、アメリカは当初から不参加、日本は1933(昭和8)年3月満州問題が原因で脱退、のちドイツ・イタリアもこれにならい、一旦加入のソ連もフィンランドとの戦争の際除名され、有名無実となり、1946(昭和21)年解散。

 国連(国際連合)は、第二次世界大戦後、1945(昭和20)年10月24日に正式に成立した、平和と安全の維持、各国間の友好関係の促進、経済、社会、文化、人道などの諸問題について、国際協力を達成するために設立された諸国家の組織。 国際連盟の精神を受け継ぎ、その反省からさらに組織を強化した。 本部はニューヨーク。 日本は1952(昭和27)年のサンフランシスコ平和条約による独立後の、1956(昭和31)年に加盟した。 主な機関として総会・安全保障理事会・経済社会理事会・信託統治理事会・国際司法裁判所・事務局がある。 現在196か国が加盟。

 安全保障理事会は、常任理事国5か国(中華人民共和国・フランス・ロシア・イギリス・アメリカ)と、非常任理事国10か国の、15か国で構成されている。 非常任理事国は総会における選挙で選ばれ、アジア太平洋2、アフリカ3、中南米2、西ヨーロッパその他2、東ヨーロッパ1の配分になっている。 日本は、11期、22年間、非常任理事国を務めたが、現在アジア太平洋からはインドとベトナムである。

 国連で、いつも問題になるのが、安全保障理事会の常任理事国が拒否権を持っていることだ。 中華人民共和国・フランス・ロシア・イギリス・アメリカは、自国に都合の悪い議案があれば、拒否権を使ってそれを無効にする力を持っている。 そのため、国連が世界の平和と安定に貢献する目的の組織であるにもかかわらず、その機能がたびたび麻痺し、世界から戦争がなくならない原因になっている。

 国連のもう一つの問題点は、その決議に法的拘束力がないことである。 国連の決めることは、国連に加盟している国が参考にすべきガイドラインにすぎないため、守らなくてもよいという態度を生みがちだ。