東京の落語と大阪の落語2021/08/23 06:51

 東京と大阪の落語、昔は違いがあった。 出発点が違う。 東京は、もの静か、座敷でやった。 大阪、声がでかい、戸外で客を振り向かせる必要があった。 大阪は、こってりしている、長い、サービス精神。 与太郎と喜六。 東京の与太郎は、全国から職人が集まってきている町だから、町内で養っている、恥をかいたらいかんというので、誰でもない不思議な人になっている。 大阪の喜六は、生活力がある、商いの町だから、自分をアホにする、「愛宕山」のオチのように川柳の「えらいことできましてんも、泣きもせず」、当事者から離れる。 もっと大変なことがあるんだと、ハッとする。 コロナ下、落語の自由な世界を聴いたほうがいい。

 小佐田定雄さんはいろいろな試みをしている。 2007年からやっている、埋もれた噺を復活させる「古墳落語」。 古い番付表に、題名だけが残っていた、「屁臭最中(へくさのさいちゅう)」船場のとう(嬢)さんが、恥ずかしいことをして、恋がかなう。 桂かい枝が演じた。 「落能」落語とお能、茂山千之丞が米朝と親しかったことから、狂言師の茂山あきらと「お豆腐狂言」をやり、桂吉朝が演じた。 「落楽」、文楽の人形と落語のコラボレーションも。 「夢」を聞かれ、歌舞伎の台本も、文楽の台本も書いたが、まだまだ思いもよらないことが起きる、68歳だが気持は40歳だ、ますます楽しみだ、と語った。

 著書に、(ちくま新書)の『枝雀らくごの舞台裏』『米朝らくごの舞台裏』『新作らくごの舞台裏』など多数。

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