大塚宣夫さんの『非まじめ介護のすすめ』2022/07/08 07:03

 大塚宣夫さんが、近著『医者が教える 非まじめ介護のすすめ』(PHP研究所)を送ってくれた。 さっそく、第1章「医療、経済、社会、高齢者、介護。コロナ禍が明らかにしたもの」を読む。 先日紹介した歌代朔さんの『スクラッチ』(あかね書房)が、コロナ禍の中学生を扱っていたが、こちらはコロナ禍の高齢者、つまり私などを扱っている。

 「会って、話して、笑って、歌う。それが、高齢者にとっての最高の老化防止」なのに、コロナ禍によって日常生活が一変した、それも三年という長期に渡って。 ごく当たり前に、何気なく行われていたこと――たとえば人との接触や会話、移動など――の多くが制限された。 私なども、毎月国立小劇場の落語研究会に仲間と通い、その前に天ぷら屋さんで軽く一杯、楽しく近況報告し合ってから、劇場にくり込む、悦楽の機会を奪われてしまった。 2020年2月26日の第620回落語研究会は、安倍首相が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、多数の観客が集まる国内のスポーツ・文化イベントの開催を今後2週間自粛するよう要請した日であったが、TBSは開催を決めた。 その開催を最後に、公開の公演は行われず、収録だけが行われて、2年4か月になる。 天ぷら屋さんも大変だ、無事だろうか、などと思う。

 大塚宣夫さんは、コロナ禍が明らかにしたものとして、つぎの三つを挙げる。(1)いかに人間が「今日までの生活が明日も続く」という前提で暮らしてきたか、ということ。(2)社会活動の多くは『人との触れ合いや不要不急な部分で成り立っている』ということ。飲食、旅行、スポーツ、演芸、音楽や芸術など、今苦境に陥っている業界がいかに私たちの暮らしを彩ってきたのか。(3)高齢者の生活の一変ぶり。外出の大部分が不要不急。ましてや、今回の新型コロナウイルス感染症では高齢者が重症化しやすいとなれば、危険を避けるため、あるいは周囲に迷惑をかけたくないという思いから家にこもるしかない。

 表紙には、「コロナで死ぬか、家ごもりで死ぬか」とある。

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