『世界は五反田から始まった』という本がある2022/09/14 07:00

 朝日新聞の読書欄(8月20日)の書評で、気になっている本がある。 星野博美著『世界は五反田から始まった』(ゲンロン叢書)、評者はノンフィクション作家の稲泉連さん。 見出しは「町工場の来歴から大きな歴史へ」。

「著者の星野博美さん(1966(昭和41)年生まれ)は東京の戸越銀座に暮らしている。実家では祖父の代から小さな町工場を営んでおり、年老いた父親が廃業するまで続けていた。本書はその彼女が街への<異様な執着>を原動力に、五反田界隈から見た近現代史を描いた一冊だ。」 「歓楽街の集まる五反田駅周辺を中心とした半径約1・5キロメートルの円を<大五反田>と名付け、勝手知ったる周縁を歩く。同時に子供時代の記憶を掘り起こし、様々な資料を駆使して祖父の遺した手記の空白を著者は埋めていく。」

 「もとは「コンニャク屋」という奇妙な屋号を持つ外房の漁師だった祖父が東京に来たのは1916(大正5)年のことだったという。最初は町工場の丁稚として身を粉にして働いた。また、同時代における小林多喜二や無産者のための託児所、工場地帯としての発展や満蒙開拓団の歴史を調べる中で、1945(昭和20)年5月24日、空襲を受けて焼け野原となった五反田にたどりつく。」

 「正直に言えば、最初に本書のタイトルを見たとき、「なんと大きく出たものか……」と思いもした。だが、読後、その思いは消えていた。半径数キロメートルの場所からでも、「世界」は確かに始まっている。町工場で作られる小さな部品が戦闘機に使われるように。」 「……自らの謎を解くように家族の来歴を描き、戦前からの町の変遷を大きな歴史へとつなげる軽やかな足取りに、私はすっかり魅了されてしまっていた。」と、稲泉連さんは結ぶ。

 私は、「戸越銀座」「町工場」「五反田」「5月24日の空襲」に、強く反応した。 「戸越銀座」の隣町、中延で生まれ育ち、家業は「町工場」、「五反田」を通って二本榎の明治学院中学に通い、「5月24日の空襲」では、「戸越銀座」「五反田」方面でなく、馬込方面に逃げ、立会川の中の橋の下で一夜を明かして、命を拾い、幸いにも家は焼けなかった。

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