恋に身を滅ぼした30歳年下の王妃2022/10/14 07:06

 恋多き王ヘンリー八世は愛妻の死と政略結婚の失敗から立ち直った。 次に王の心を燃え立たせたのは、なんと英国国教会創立のきっかけとなり、公開処刑という悲惨な最期を遂げた、あのアン・ブーリンの従姉妹に当たるキャサリン・ハワードだった。 王より30歳も年下の天真爛漫なこの少女は、王の心に火をつけてしまった。 王は政略結婚を画策したトマス・クロムウェルを処刑し、その土地とおびただしい宝石をキャサリンに与えた。

 しかし実はキャサリン、王との結婚前に付き合っていたフランシス・ディアラムという青年を秘書として雇っていたのだ。 この事実が露見、二人は姦通罪と反逆罪で裁判にかけられる。 王も初めは王妃の浮気を信じていないほど、キャサリンに心を奪われていた。 しかしキャサリンは取り調べでディアラムに姦通を強要されたと自白してしまう。 ディアラムは、やけくそか嫉妬か、王妃にはもう一人男がいたと証言する。 トマス・カルペパーという若い廷臣と密会を重ねていたことまで暴露されてしまう。 この期に及んで王の愛は怒りへと転換する。

 王妃が処女でなかったことになれば、結婚も無効になる。 結局キャサリンはアン・ブーリンと同じ運命を辿ることになった。 愛した男と手引きした侍女は、キャサリンと共に斬首されてしまった。