晩秋の枇杷の会、自然教育園吟行・三田句会2022/11/07 07:08

 10月30日、志木会・枇杷の会で、目黒の自然教育園を吟行、三田キャンパス第一校舎108番教室で句会をした。 幹事役の深瀬一舟さん引き続きのご努力で、新しい参加者も増えて16名の句会となった。 前回私が欠席したので、初めてお会いした一年上の大井章良さんは、志木高時代の私のことを憶えていてくれ、喜んで頂いたのが嬉しかった。 さぞ、生意気だったのだろう。 幸いの秋晴れで、自然教育園の中を歩くのは、まことに快適だった。 日曜日の三田の丘の上は、ひっそり閑としていた。 私は、つぎの七句を出した。

秋晴や白金長者の気分にて
強さうなぬすびとはぎも末枯て
歳古りし椎の巨木に共鳴し
ニョキニョキと八手の蕾精溢れ
倒木の蛇穴にかと目を凝らし
水鳥や木漏れ日拾ひ滑りゆく
早慶戦勝つぞと欅色づきて

 私が選句したのは、つぎの七句。
園内のベンチやあきつ先にをり     善兵衛
もみじ葉の小道歩かば志木の翳     章良
小休止団栗ひとつ椅子の上        文比古
丘の上又その上のうろこ雲        夏樹
団栗のふとっちょが好きちびが好き   次郎
日当りて芒は風を待つ構へ        洋太
末枯に優しき光届きけり          孝治

 私の結果。 <強さうなぬすびとはぎも末枯て>を英先生、孝治さん、文比古さん、祥三さん、恭輔さんが、<秋晴や白金長者の気分にて>を次郎さんが、<歳古りし椎の巨木に共鳴し>を章良さんが、<ニョキニョキと八手の蕾精溢れ>を孝治さん、誠さんが、<水鳥や木漏れ日拾ひ滑りゆく>を祥三さんが採ってくれた。 英先生選1句、互選9票、計10票。 まずまずの結果だった。 <早慶戦勝つぞと欅色づきて>を誰も採ってくれなかったのは残念、最初「銀杏」のつもりだったが、丘の上の銀杏はまだほとんど黄葉してなかったので、色づいていた「欅」にしたのだったが…。

 本井英先生の総評。 上手く見えるよりも、本当のものを。 星野立子さんは、「上手く見える句は、恐い」と言っていた。 虚子先生は、「十年黙って作りなさい」と。 俳句が上手くなるには、長生きすること。 長く生きていくと、授かる、季題と出合う。

 <強さうなぬすびとはぎも末枯て>の選評。 ちょっと、おどけ。 「ぬすびと」というクラシックな言葉。 ロマンチックな言い回し。 面白がっている。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「等々力」を漢字一字で書いて下さい?

コメント:

トラックバック