「鼠を捕らんと欲せば、猫より進む可し」 ― 2022/12/02 07:04
10月25日に、「三度び敗れて一度び成れば前後償ふて余りあり」を出した「福澤諭吉先生の『元気の出る言葉』」、『105年三田会名簿』1989年編に書かせてもらった(無署名)、続きを引いておきたい。
「鼠を捕らんと欲せば、猫より進む可し、鼠の来りて猫に触れたる例を聞かず。」
(『福翁百話』五十六)
「智恵は小出しにす可し」の中にある。一事に大きな智恵を現して、天下を驚かそうとするよりも、朝に夕に、物に触れ事に当たり、遅滞なくこれを処理して、さわやかに世を渡りなさい。鼠を捕る猫は爪を隠すと云う。隠すのはいいけれど、生涯隠して、鼠を捕らなければ、爪がないに等しいと、福澤先生は教えている。
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