「説は事勢に由て改めざる可らず。」 ― 2022/12/05 07:18
「志は時に随(したがう)て変ぜざる可らず、説は事勢に由(より)て改めざる可らず。」 (『覚書』)
明治八年秋ごろの『覚書』にある。誰でも、過去の自分と現在の自分を比較した時、過去の失策、未熟さを、冷汗の出る思いで反省する。これが出来てこそ、その人の進歩が著しいのであって、昔も今も少しの変化もなく、同じ時点にとどまっている人は、進歩のない人生を送るものであると、福澤先生は考えた。とりわけ志や主義主張を変えることを、この上もなく不名誉なことのようにいう考え方をしりぞけて、それも時勢とともに改める必要があるとした。つまり、柔軟な物の考え方をすることをすすめたのである。
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