チコちゃん「国宝は、明治維新の暴走を止めた制度」2022/12/21 07:03

創立150年を迎えた東京国立博物館で、記念の「国宝 東京国立博物館」展が18日まで開かれていた。 東京国立博物館の所蔵する国宝89件すべてが公開されていた。 「チコちゃんに叱られる!」で、「国宝って何?」という問題があって、「明治維新の暴走を止めた制度」という答だった。

帝京大学の岡部昌幸教授が解説して、アメリカ人哲学者アーネスト・フランシスコ・フェノロサの名前を出していた。 フェノロサは、ハーバード大学の哲学科を首席で卒業、東京大学で哲学や政治学を教えるお雇い外国人として1878(明治11)年に25歳で来日した。 日本美術にも関心を持ち、教え子の岡倉天心を通訳に同行させ、寺社仏閣を巡った。 奈良で廃仏毀釈によって悲惨な境遇に置かれていた仏教美術に衝撃を受け、文化財の保護を強く訴える行動に出た。 ロンドン万博、パリ万博によって、ジャポニズムが流行、日本の伝統工芸品の価値が高まり、野放しだと貴重な文化財が海外にどんどん流失する時代だった。 フリーア美術館の俵屋宗達≪松島図屛風≫、メトロポリタン美術館の尾形光琳≪八橋図屛風≫などは、日本にあれば「国宝」だといわれる。 そしてフェノロサたちの活動が実を結び、政府も文化財の破壊や流失を食い止めるための法整備が必要と認め、1897(明治30)年、古社寺保存法が制定され、「国宝」が誕生した。

 「チコちゃんに叱られる!」は、「国宝って何?」ということで、「明治維新の暴走を止めた制度」とフェノロサを強調したが、昨日見たように、廃仏毀釈から古器旧物などの文化財を守り、海外流失を防止するために、1872(明治5)年には「壬申検査」も行なわれていたのだった。 「明治維新の暴走」という点は、19日の「勝者による廃仏毀釈、悪影響が語られず」と、同じ見解である。