「初笑」と「冬草」の句会2023/01/27 07:07

 1月12日は、『夏潮』渋谷句会があった。 本井英主宰は所用で残念ながら欠席で、後選をして頂いた。 主宰不在のため、それぞれが自身の特選句を発表し、頂いた理由などを述べた。 当日はまた、渋谷区の「シブカツ」渋谷生涯活躍ネットワークの担当者が句会の様子をホームページに掲載するというので、見学していて、「シブカツ」で検索すると、句会の紹介と当日の写真を見ることができる。。 兼題は「初笑」と「冬草」で、私はつぎの七句を出した。

初笑ドリフのコント子が五十
はちゃめちゃの新作落語笑ひ初め
福笑謹厳曾祖父初笑
ロゼットの蒲公英花を上げんとす
冬の草小学生も塾通ひ
江戸からの上水に沿ひ冬の草
スライスの球は転転冬の草

 私が選句したのは、つぎの七句。
初笑させむと母を訪(おとな)へる  祐之
起抜けの子の一声に初笑      祐之
正客の正座しびれて初笑       美佐子
冬草の大方土にしがみつき     和子
冬草や兄と作りし秘密基地      庸夫
冬の草お地蔵様の日溜りに     裕子
下戸の父盃半分の笑初        さえ

 私の結果。 <スライスの球は転転冬の草>を孝治さん、真智子さん、孝子さんが特選、庸夫さんが互選してくれ、<初笑ドリフのコント子が五十>を淳子さん、<はちゃめちゃの新作落語笑ひ初め>を美佐子さん、<江戸からの上水に沿ひ冬の草>を耕一さんが採ってくれ、特選3票、互選4票だった。 英主宰は後選で、<ロゼットの蒲公英花を上げんとす>を採ってくれた。

私が特選したのは、和子さんの<冬草の大方土にしがみつき>で、ロゼットの様子を「大方土にしがみつき」と詠んだ措辞を面白く感じた、と話した。 「ロゼット」rosetteは、辞書を見ると、「ローゼット」ともいい「根出葉が地面に放射状に広がり、バラの花の形を呈するもの。多年草・越年草の冬越しの状態。タンポポ・ヒメジョオン・ナズナなどの葉にみられる。」
主宰選の拙句、奥沢の路地で、コンクリートとアスファルトの間から「ど根性タンポポ」が、ロゼットのまま花をつけているのを見て、びっくりしたのだった。