橘家圓太郎の「算段の平兵衛」上 ― 2023/05/15 06:56
思い通りの人生を歩めないものだ。 花粉症になった。 風邪かと医者へ行くと、パッチテストで檜に感じるタイプだと言われた。 敏感なんだ。 楽屋で薬を見て、その薬、効かないですよ、と言われた。 敏感なんですから。
大谷翔平、子供の時から何になりたいか目標を定めて、がんばった道のりが素晴しい。 子供に何になりたいか聞くと、今、探してると言う。 大谷との違いは何かと聞くと、親が違う、と。
いろいろなことがある。 ある村に、算段の平兵衛という男がいて、面倒なことを相談に行くと、やりましょうと引き受けてくれ、段取りが丁寧で、余計なことは言わない。 村には立派な庄屋がいる、面倒見がよく、ヒユーマニズムの塊のような。 水が出る、鉄砲水、命にかかわるので、まず年寄が行く。 働き盛りの者が行って流された。 後家と子供を、庄屋が大事にして、娘のお花を立派に育て、後家が洗い物など手伝っていたのと、グチャグチャになる。 立派な庄屋だから、庄屋のおかみさんも、村の者もグズグズ言わない。 そのうちに、後家が病気で死んで、あの世で亭主に会った。 立派な庄屋、今度は娘のお花と、グチャグチャとなる。
これには庄屋のおかみさんが、収まらない。 どうするんです。 悪かった、お花とは別れたい。 この村から、追い出して下さい。 庄屋だから、それはやっちゃいけないことだ、できない。 手をつけることは、できるんですね。 どこかに縁づけましょう。 お花とのことは、みんな知ってる、知らなかったのは、お前だけ。 出て行くのかい。 私は死にます、お前さんを突き殺して、後を追う。 出刃包丁は、危ない。 ちょっと出かけて来ます、お花のことを平兵衛に相談する。
平兵衛、どうにかならないかね。 独り者に、縁づけたらどうです。 生涯、指差されるのは、いやだと断わられる。 やはり、おかみさんと無理心中がいい。 五両、持って来た、何とか算段してもらいたい。 自業自得だ。 お花に惚れた相手ができればいい。 お花につくものは? 着物、箪笥一竿、持参金五両。 せめて、二十両出してもらいたい。 明日の内に二十両、持って来てもらいたい。 お花の心持も聞いておく。
最近のコメント