桃月庵白酒の「山崎屋」前半2024/07/03 07:00

 国立劇場なかなか進みませんね、あそこで、こっそりやっちゃったらどうですか。 10年経っても、あのまんまかもしれない、いろいろ大人の事情があるんでしょう。 最近のニュース、テレビ以外の情報が、ネットで入ってくる。 今日6月25日は、沢田研二の誕生日。 沢田研二は、師匠の雲助と同い年(笑)、沢田研二っていわれるとちょっと違う気がするけれど。 さん喬師匠とも同い年なんですね、勝手にしやがれって感じ。

 大きさの比較に、以前はタバコのセブンスターと並べた。 東京ドーム何個分とかいう、鹿児島生れなんで、日没と共に消灯、東京ドームの見当がつかなかった。 末広亭二百個分。 吉原は、東京ドーム1.5個分、公認のお遊び場所で。 行こうか、中へ、北国(ほっこく)へ、とか言う。 江戸の鬼門、艮(うしとら)北東なので。 独特のしきたりがあって、遊女三千人御免の場所というが、何倍かの人がいた。 駕籠の乗り入れは許さない、大門までで、例外は急病人で来る医者だけ。 イベントもある仲の町通り、花魁道中には、禿(かむろ)という下っ端がつく。 チャンランチャンランと、清掻(すががき)という三味線に乗って、文金赤熊に派手なかんざしを挿し、豪華に着飾り、三ツ歯の駒下駄で、外八文字、定期的な酔っぱらいの歩き方で、コロリカラリと歩く。 花魁は教養があって、言葉遣いも違う。 「ぬし、お起きなんし」といい、「起きろ!」「起きてけつかれ!」とはいわない。 出身や育ちは、里言葉、アリンス言葉で、クリアされる。 最上級の花魁は、情報誌『吉原細見』によると、昼遊びだけで三分、一分あればひと月一家で暮らせた。 花魁には新造(しんぞ)が付く、振袖新造、後ろで踊る留袖新造、バックも無理な番頭新造はマネージャー。

 久兵衛、親父の叱言はサワリで済んだよ。 時に番頭、聞いてもらいたい話がある、三十両、用立ててもらいたい。 三十両なんて大金、私にはありません。 店のお金からだ。 店のお金からなんて、手堅いと言われている私には、とても出来ません。 大きな声を出すな、出来なかろうが、粋なお前ならなんとかする。 大きな声は地声、私は野暮で。 ちょいと聞くが、あの女、いくつだ。 妾狂いしているとでも…。

 久兵衛、ちょっと前へ、先月の二十日、隣町のお湯屋に行ったら、色の白い二十七、八の粋な年増が出て来た。 後を付いて行ったら、裏道に回り込んだ。 行き止まりの奥から二軒目の左、清元なにがしの看板。 そこにいたおばさんに聞いたら、よくしゃべる女で、お囲い者で、横山町の鼈甲問屋の番頭さんだという。 お前さんは堅い男だ、何かの間違いだと思っていたら、四、五日して、お前さんがそそくさと出て行った。 暇だから付いていくと、お前さんに似ているのが、その家に入って行って、覗くと、お前さんに似た男が何か食べてるんだ。 親父に、この話をそっくりしようか。 声が大きい、野暮です。 声の大きいのは地声だ、商人の倅は、野暮の方が手堅い。 ちがうんで、あれは妹の、おばさんのおばさんに当るような者で…。 頼む、と手をついているんだ、三十両、用立てておくれよ。 聞きたいんですが、そのお金、女に使うんですか。 四、五日したら、帰ってくる。

 若旦那、本当に惚れてんですか、その女に。 一緒になれたら、道楽は止めますか。 世の中、表も裏もある。 三か月、ご辛抱なさって下さい。

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