『題名のない音楽会』、雅楽由来の言葉<等々力短信 第1181号 2024(令和6).7.25.> ― 2024/07/25 07:10
クラシック音楽には、高校同級生のチェロ弾きがいる上野浅草フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会に行く以外、ほとんど縁がないのだけれど、テレビ朝日、土曜朝10時の『題名のない音楽会』は、昔から見ている。 黛敏郎の司会で始まったのは1964年8月というから、大学を卒業した年だ。 司会は、永六輔、武田鉄矢、羽田健太郎、佐渡裕、五嶋龍と来て、2017年4月から今の石丸幹二になっている。 最近では、ヴァンオリンの葉加瀬太郎「プロ塾」でプロのコメントの凄さに驚き、子供の頃に指揮することを希望して出たことがあったというピアノの反田恭平の会社組織の多彩な活動や結婚を知り、ピアノの藤田真央の柔らかいタッチと人柄に感心したりしている。
先日、珍しく「雅楽」をテーマにした回があり、雅楽芸人カニササレアヤコを知った。 早稲田大学文化構想学部卒、在学中はお笑いサークルで活動、「R-1グランプリ」に東儀秀樹さんのものまねでファイナリストになる。 2022年4月東京芸術大学音楽学部邦楽科雅楽専攻に進学、経済誌Forbes JAPANで「世界を変える30歳未満の30人」に選ばれたという。 今回は雅楽専攻の仲間との演奏で、本人は管楽器の笙(しょう)を担当、笙は湿ると音が変わるので絶えず乾かす必要があると、炙り続けていた。
話題は、雅楽由来の日本語があるということだった。 諸説あるらしいが…。
「音頭」「音頭をとる」は、それぞれの楽器のパートリーダーが、調子をそろえるために、初めの部分を一人で演奏すること。 オーケストラの音合わせのように。
「塩梅(あんばい)」は、篳篥(ひちりき)で塩梅(えんばい)という、なだらかに息づかいで音を変える演奏法から来ている。 奏者は指孔に手を触れていなかった。
「野暮(やぼ)」。 笙(しょう)は長短17本の竹管が立ち、木製椀型の頭(かしら)にある吹口から吹き、または吸って鳴らす。 17本の内、15本には指孔があるが、2本は音が出ない、17本にはそれぞれの名前があり、この2本の名は「也」と「毛」という。 無音の「やもう」が、「やぼ」となったという。 無粋、無骨、無風流。
「やたら」。 みだり、むやみを意味する言葉。 雅楽はほとんど4拍子なのだが、夜多羅拍子(やたらびょうし)という舞に合わせる4拍子の曲がある。 「千秋楽」。 法会などの最後に演奏される雅楽の曲名から来た。 哀調のある曲で、平安中期の後三条天皇の大嘗祭に監物頼吉(けんもつよりよし)がつくったという。
雅楽は、国風歌舞(くにぶりのうたまい)、外来楽舞、歌物(うたいもの)に大別される。 それぞれ、日本古来の皇室系・神道系の祭祀用歌舞、平安初期までに伝来した唐楽と高麗楽、平安中期頃成立の饗宴用楽舞。 かなり古いことは確かだ。
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