柳家小次郎の「彌次郎」2026/03/26 07:02

 23日は第693回の落語研究会、よみうり大手町ホール直下の千代田線が止っているとかで、15分遅れての開演となった。 小次郎は、根津から本郷三丁目まで走って、丸の内線で来たそうだ。 坊主頭で子供顔、これで36歳年男だという、昨年11月に二ツ目に昇進したが、コロナで前座が長い期間になった、そもそも海上自衛隊にいて、入門の前に入隊した。 落語もそうだが、軍事の方が、嘘八百が御手の物だという。 ドナルド・キーンさんは、海軍の人で日本語を勉強して情報関係の仕事をしていた。 (昭和18年5月~7月の米アラスカ準州)アリューシャン列島のキスカ島撤退作戦、包囲していた米軍に気づかれずに、水雷戦隊が5千人の守備隊全員の無傷の引き揚げに成功した。 上陸した米軍3万4千人は、仕掛けられた爆弾で、ドンパチと大変な目に遭った。 キーンさんの話では、ある建物の看板に「ペスト患者収容所」とあって、ペストは黒死病といわれる恐ろしい病気だから、ワクチンを取り寄せろとか、大混乱になった。 実はこれ、日本軍医のいたずらだった。

 こんちは,大家さん。 彌次さんかい、私はお前さんの嘘が楽しみでな。 どこか、行ったか。 京都へ行きましたが、いい所でした。 黒山の人だかりだから、覗くと、うずくまっている男がいて、みんなが金槌で叩いている。 聞けば、その男、元は高貴な華族だったのに、盗みを働くんだという。 公家の曲がったのは、金槌でないと直らない。

 北海道へ行きました。 寒かった。 「おはよう」が凍って、「おはよう玉」になる。 いくつか拾ってきて、囲炉裏に入れておく。 翌朝、「おはよう、おはよう、おはよう」と、目覚ましになる。 好きだよ、そういうの、彌次さん。 食い物が、安くて、美味い。 鳥の鴨も、手掴みで、取り放題。 何千、何万という鴨が降り立つ。 風が吹くと、水面がバリバリバリッと凍る。 籠を背負って、鎌を持って行き、鴨刈りをする。 刈って残った脚から、春、芽が出る。 これをカモメと言う。

 火事が凍る。 メラメラッと燃えたのが、カチーーンと凍る。 きれいなので、二、三本、枝振りのいいところを持ってきた。 北海道からは歩いて帰ったんで、それを牛の背中にのせてきた。 途中で燃えだして、牛がモーー嫌だ、と。 水を掛けても消えない、焼け牛に水。 牛がいなくなり、山道にかかって、暗くなってきた。 山の中腹に明かりが見える。 焚き火の明かりで、山賊が大勢であたっている。 親分らしい坊主頭の六尺豊かな大男が、素っ裸フンドシ一丁で、「お若えの、お待ちなせえやし」。 「手前のことで、ござろうか」。 「ここは地獄の一丁目だ!」と、大男が飛びかかってきたので、胸倉をつかんで、投げ飛ばす。 素っ裸の、胸倉をつかめるのか? 乳首をつかむと、ギューーッと伸び、投げ飛ばしたら、のびちゃった。 子分の山賊が、一列に並んだのを、あたりの岩をちぎっては投げ、ちぎっては投げ。 六尺豊かな大きな岩を、目の上に差し上げて、投げつけた。

 すると、六尺豊かな大イノシシが襲ってきた。 彌次さんのは、みんな六尺豊かなだな。 切り株を足場に、大イノシシのたてがみをつかんでまたがり、シシの金をギューーッと締めると、のびちゃった。 それで、刀でシシの腹を切り裂くと、シシの子が沢山、「とうちゃんの仇」と飛び出した。 シシ16だろう。 4×5で20、死んだ後だから。 金を締めたんだからオスだな、オスの腹から子が出るか。

ところで彌次さん、お前さん、そんな山奥でいったい何をしていたんだ。 山伏の修業をしていました。 道理で、うまく法螺を吹いた。