AIの軍事利用「自律型致死兵器システム」への懸念 ― 2026/04/27 07:02
朝日新聞4月6日の社説は、「AIと国家」「軍事利用と国民監視への懸念」だった。
「米国とイスラエルによるイラン攻撃は、米軍主導で人工知能(AI)が初めて本格的に使われた戦争として歴史に位置づけられるかもしれない。」「人間が処理しきれないような膨大なデータを高速で分析してパターンや関連性を見いだし、予測や識別を可能にする――これがAIの本質だ。」と書き出す。
そして、昨日見た「メイブン・スマート・システム」のように、「人間が作業するよりはるかに素早い意思決定が可能にはなるが、当然ながらAIの精度には限界があり、致命的な誤りを犯す恐れもある。」とする。
日本でもサービスを展開している、米新興企業アンソロピック社(ア社)のAIが注目されている。 国防総省と昨年、機密情報の分析に関する契約を結び、イラン攻撃でも使われたと伝えられている。 だが今年、米軍のベネズエラ攻撃でア社のAIが使われたと報道されて以降、国防総省とア社の対立が表面化。 2月末にダリオ・アモデイCEOが発表した声明によれば、国防総省は「合法的なあらゆる目的」での利用を求めたといい、ア社は民主主義の価値を損なう恐れがある例外として「国民の大規模監視」「完全自律型兵器」を挙げ、契約に含めない方針を表明した。 これが原因で契約は破棄となり、トランプ大統領が政府の調達から排除する意向を表明。 国家安全保障上の「サプライチェーン(供給網)リスクのある企業」に指定され、ア社が取り消しを求めて提訴する事態になっている。
一連の出来事は、国家とAIの関係を考えるうえで重大な懸念を突きつける。
ベネズエラ攻撃の前から「近年の紛争はAIを使った自律システムの実験場になっている」(グテーレス国連事務総長)と言われ、戦争の「質」を変えつつある。
人間の関与が少なくなれば殺傷や破壊への抵抗が少なくなり、人間はAIの判断を追認するだけの存在になりかねない。 無人機のような兵器は製造や管理が容易な一方、先端技術を持つ大国間で覇権争いが熾烈化する恐れもある。
ア社が声明で挙げたような「自律型致死兵器システム(LAWS)」については、日本を含め多くの国が規制の必要性を訴える。 国連や非人道的な特定通常兵器使用を禁止・制限する条約の締約国会議で、ルール作りの検討が続くが、定義すら定まらず、議論は遅々として進まない。
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