小人閑居日記 2024年11月 INDEX2024/11/30 07:18

福沢諭吉先生原作の落語「鋳掛久平冥土の審判」<小人閑居日記 2024.11.1.>
日本の将来像、苅部直さんは「平等と平和 出発点に学べ」<小人閑居日記 2024.11.2.>
「五箇条の誓文」と、『西洋事情』文明政治の六条件<小人閑居日記 2024.11.3.>
日本国憲法と福沢、NHK「人権の時間」、『帝室論』<小人閑居日記 2024.11.4.>
苅部直さんから、ブログにコメントを頂いた話<小人閑居日記 2024.11.5.>
構想と現実の乖離、福沢の「無限の苦痛」<小人閑居日記 2024.11.6.>
2008(平成20)年、慶應義塾創立150年に思う<小人閑居日記 2024.11.7.>
寺崎修さんの「福沢諭吉の近代化構想」<小人閑居日記 2024.11.8.>
「福沢の近代化構想は実現したか」<小人閑居日記 2024.11.9.>
福澤諭吉記念 慶應義塾史展示館「近代日本の格闘そのもの」<小人閑居日記 2024.11.10.>
『夏潮』連載、石神主水さんの『時を掘る』<小人閑居日記 2024.11.11.>
「紫式部」『源氏物語』の誕生、「越前紙」<小人閑居日記 2024.11.12.>
『源氏物語』を書くのに使われた貴重な紙<小人閑居日記 2024.11.13.>
「平安の花見」、そうだ、京都を知ろう<小人閑居日記 2024.11.14.>
田中優子さんの「本を読まない・読めない」人びと<小人閑居日記 2024.11.15.>
原田宗典さんの「読書ということ」<小人閑居日記 2024.11.16.>
原田宗典『おきざりにした悲しみは』宣伝に完敗<小人閑居日記 2024.11.17.>
「前世がない」上司のいる65歳<小人閑居日記 2024.11.18.>
ギターと詩と本と小説と絵、長坂誠の三十代<小人閑居日記 2024.11.19.>
大阪から岡山、岡山から再び東京へ<小人閑居日記 2024.11.20.>
良いことをすると報われる<小人閑居日記 2024.11.21.>
  短信 『おきざりにした悲しみは』<等々力短信 第1185号 2024(令和6).11.25.>11/22発信
「目貼」と「神の留守」の句会<小人閑居日記 2024.11.23.>
桂米輝の「牛ほめ」<小人閑居日記 2024.11.24.>
雷門小助六の「猫退治」<小人閑居日記 2024.11.25.>
古今亭志ん輔の「今戸の狐」まくら<小人閑居日記 2024.11.26.>
古今亭志ん輔の「今戸の狐」本編<小人閑居日記 2024.11.27.>
春風亭一之輔の「館林」<小人閑居日記 2024.11.28.>
柳家さん喬の「鼠穴」前半<小人閑居日記 2024.11.29.>
柳家さん喬の「鼠穴」後半<小人閑居日記 2024.11.30.>

等々力短信 第1185号は…2024/11/25 06:59

<等々力短信 第1185号 2024(令和6).11.25.>『おきざりにした悲しみは』 は、11月22日にアップしました。 11月22日をご覧ください。

「平安の花見」、そうだ、京都を知ろう2024/11/14 07:03

 石神主水さんの『時を掘る』、『夏潮』2024年4月号は「平安の花見」。 <山門も伽藍も花の雲の上  虚子> 奈良時代までは中国の詩歌の影響もあり、「梅」を好む傾向があったようだが、平安時代になると、「桜」への想いが強くなるようで、『源氏物語』のなかに登場する「花」について調べた研究によれば、「梅」が52例、「桜」が50例と拮抗している。(伊井春樹「王朝貴族の花見と源氏物語の桜」『京都語文』2003年) 平安の貴族たちも、山へと桜を愛でに訪ね歩いていて、『源氏物語』の紫の上との出会いでも、「わらわやみ」を患った光源氏が北山の「なにがし寺」へ加持祈祷に行き、山桜が盛りの境内で、幼い紫の上を垣間見する場面が出てくる。 石神主水さんは、紫の上と山桜を重ねた描写は、平安の貴族社会における「桜」の捉え方を示しているということができるだろう、という。

 実際の貴族の花見については、彼らが残した日記から知ることができる。 花山院に仕えた藤原実資の日記『小右記』には、旧暦三月に色々な場所へと花見に訪れていることがわかる。 たとえば花山院は東山椿ヶ峰の西麓にあったとされる円成寺(現・大豊神社)や現在の岡崎付近を頻繁に訪れており、大抵は馬で出掛けている。 そして紫式部の母方の曽祖父にあたる藤原文範の山荘を訪れていたようだ。 上記の北山の「なにがし寺」のモデルと言われる大雲寺を創建したのも文範だ。

 藤原道長も、花山院と花見に出掛けている。 『御堂関白記』には、やはり東山の白河院から観音院へ牛車で行き、お昼ご飯を食べつつ、お題を出して歌を詠んでいる。 こうした花見のあり方は、平安貴族に共通したものだったようで、いくつかの花の名所を訪ねて、歌を詠むことが主たる目的であったことができる、と石神主水さんは指摘する。

 ことほどさように、石神主水さんの『時を掘る』によって、京都の歴史をあれこれ知ることができる。 2024年11月号までの題名を列挙しておく。 2020年12月号に「紙屋院」もあった。

 2012年 8月号 1. 星宿図 9月号 2. 波除碑 10月号 3. 長陽の節句 11月号 4. 神在月 12月号 5. 炭
 2013年 1月号 6. 矢の考古学 2月号 7. 絵踏 3月号 8. 白魚と台場 4月号 9. 鐘供養 5月号 10. 競馬と馬場 6月号 11. 鰹船 7月号 12. 水売 8月号 13. 盆踊り  9月号 14. ご遷宮 10月号 15. きのこ 11月号 16. 七五三 12月号 17. 煤拂と鯨汁
 2014年 1月号 18. 初夢と富士山 2月号 19. 針供養 3月号 20. 屋根替 4月号 21. 蚕 5月号 22. 粽 6月号 23. 鮎 7月号 24. 氷室 8月号 25. 地蔵盆 9月号 26. 角切 10月号 27. 団栗と稲 11月号 28. 芭蕉忌 12月号 29. 顔見世
 2015年 1月号 30. 鬼 2月号 31. 初午 3月号 32. 涅槃会 4月号 33. 桜 5月号 34. 茶壺 6月号 35. 嘉祥 7月号 36. 蟲干 8月号 37. 大文字 9月号 38. 晴明祭 10月号 39. 去来塚 11月号 40. 炉開 12月号 41. 一陽来復
 2016年 1月号 42. 三猿 2月号 43. 山焼く 3月号 44. 利休忌 4月号 45. 十三詣 5月号 46. 葵祭 6月号 47. 信長忌 7月号 48. 千日詣 8月号 49. 迎鐘 9月号 50. 若冲忌 10月号 51. 十夜念仏 11月号 52. 龍馬忌 12月号 53. すぐき
 2017年 1月号 54. 蹴鞠始 2月号 55. 菜種御供 3月号 56. 釈迦堂の御身拭 4月号 57. 島原太夫道中 5月号 58. 京の筍 6月号 59. 鞍馬の竹伐 7月号 60. きうり塚 8月号 61. 丹波太郎 9月号 62. 鳥相撲 10月号 63. 牛祭 11月号 64. お火焚き 12月号 65. おことうさんどす
 2018年 1月号 66. はなびらもち 2月号 67. 左女牛の神事 3月号 68. はねず踊り 4月号 69. 種物屋 5月号 70. 栴檀講 6月号 71. 初繭 7月号 72. どんどん焼け 8月号 73. 糸人形 9月号 74. 石清水祭 10月号 75. 小倉山 11月号 76. 明治節 12月号 77. にしん蕎麦
 2019年 1月号 78. 弓始 2月号 79. 懸想文売り 3月号 80. 大石忌 4月号 81. 春水 5月号 82. 海龜 6月号 83. 鮎 7月号 84. 屏風祭 8月号 85. 六地蔵 9月号 86. 伏見御香宮 10月号 87. 赦免地踊 11月号 88. 大嘗祭 12月号 89. 除夜の鐘
 2020年 1月号 90. 左義長神事 2月号 91. 太子正当忌 3月号 92. 和泉式部忌 4月号 93. やすらゐ祭 5月号 94. 嵯峨祭 6月号 95. 県祭 7月号 96. 厄除粽 8月号 97. 六斎念仏 9月号 98. 櫛祭 10月号 99. 虚子塔 11月号100. 魚山声明 12月号 101. 紙屋院
 2021年 1月号 102. 楊枝のお加持 2月号 103. 燃灯祭 3月号 104. 小倉餡 4月号 105. 大原野 5月号 106. 駈馬神事 6月号 107. ぬりんべ地蔵 7月号 108. かじのき 8月号 109. 嵯峨天皇祭 9月号110. 真葛ヶ原 10月号 111. 御所 11月号 112. 祇園小唄 12月号 113. 大根焚
 2022年 1月号114. 寅年 2月号 115. 宇治橋 3月号 116. 六波羅野 4月号 117. 鞍馬花供養 5月号 118. 城南宮 7月号 119. 祇園会と祇園祭 8月号 120. 定家忌 9月号 121. 瑞光寺 10月号 122. 狭小神輿 11月号 123. 植物園と占領軍 12月号 124. 龍馬忌
 2023年 1月号 125. 除目 2月号 126. 岡崎神社 3月号 127. 二条城会見 4月号 128. 親鸞 5月号 129. 先斗町 6月号 130. 京の橋 7月号 131. 天文密奏 8月号 132. 瑞泉寺 9月号 133. 比叡山焼き討ち 10月号 134. 社寺林 11月号 135. 紫式部 12月号 136. 宇治橋断碑
2024年 1月号 137. 百人一首かるた 2月号 138. 越前紙 3月号 139. 闘鶏 4月号 140. 平安の花見 5月号 141. 紫野斎院  6月号 142. 鯖鮨 7月号 143. 駒形権現 8月号 144. 天下の三鐘 9月号 145. 地震 10月号 146. 高雄 11月号 147. 讃州寺

小人閑居日記 2024年10月 INDEX2024/10/31 07:21

文耕と里見、金森藩の捕縛から二人を救う<小人閑居日記 2024.10.1.>
箱訴の決行、講釈の場を失った文耕が二度目の御前講釈<小人閑居日記 2024.10.2.>
文耕、夜講で金森騒動を語り、お縄につく<小人閑居日記 2024.10.3.>
評定所の文耕尋問、「公儀を畏れず」と吹き込んだ者は?<小人閑居日記 2024.10.4.>
田沼意次、小伝馬町の牢屋敷で文耕に会う<小人閑居日記 2024.10.5.>
金森騒動に関する判決、文耕は引き廻しの上、獄門<小人閑居日記 2024.10.6.>
一月晦日、里見は田沼に呼ばれて、吉原の俵屋へ行く<小人閑居日記 2024.10.7.>
沢木耕太郎さん、郡上一揆と馬場文耕を書くきっかけ<小人閑居日記 2024.10.8.>
石破茂さんが慶應だとは知らなかった、佳子夫人も同級生<小人閑居日記 2024.10.9.>
佐伯啓思さんの「自民党は保守なのか」<小人閑居日記 2024.10.10.>
米国流「リベラルな価値」と、日本人の「潜在的価値」<小人閑居日記 2024.10.11.>
有田哲文記者の「福沢諭吉が陥った偏見の罠」<小人閑居日記 2024.10.12.>
「偏見の罠」という「ラベルの害」<小人閑居日記 2024.10.13.>
画家・秋野不矩さんを知っていますか<小人閑居日記 2024.10.14.>
秋野不矩先生との出会いは、川端知嘉子さんの宝<小人閑居日記 2024.10.15.>
「冷(すさ)まじ」と「浮草紅葉」の句会<小人閑居日記 2024.10.16.>
高浜虚子『斑鳩物語』の法起寺三重塔<小人閑居日記 2024.10.17.>
三宅島に遠島された英一蝶<小人閑居日記 2024.10.18.>
英一蝶の元禄綱吉の時代から、馬場文耕の家重の時代へ<小人閑居日記 2024.10.19.>
英一蝶はなぜ、幕府の怒りに触れたのか<小人閑居日記 2024.10.20.>
  短信 終の棲家<等々力短信 第1184号 2024(令和6).10.25.>10/21発信
「英一蝶―風流才子、浮き世を写す―」展を見て<小人閑居日記 2024.10.22.>
槇文彦さん、谷口吉生さんと湘南藤沢キャンパス(SFC)<小人閑居日記 2024.10.23.>
槇文彦さんと谷口吉生さんの対談「慶應建築の系譜」<小人閑居日記 2024.10.24.>
柳亭市童(いちどう)の「彌次郎」<小人閑居日記 2024.10.25.>
柳亭小痴楽の「佐々木政談」<小人閑居日記 2024.10.26.>
五街道雲助の「五人廻し」前半<小人閑居日記 2024.10.27.>
五街道雲助の「五人廻し」後半<小人閑居日記 2024.10.28.>
桂吉弥の「お玉牛」<小人閑居日記 2024.10.29.>
柳家小里んの「言訳座頭」前半<小人閑居日記 2024.10.30.>
柳家小里んの「言訳座頭」後半<小人閑居日記 2024.10.31.>

等々力短信 第1184号は…2024/10/25 06:58

<等々力短信 第1184号 2024(令和6).10.25.>終の棲家 は、10月21日にアップしました。 10月21日をご覧ください。