不同意の自由、不人気な見解に対する寛容 ― 2005/12/05 08:26
今度の総選挙の経過や自民圧勝後の政治の流れを見ていると、民主主義の根 幹に触れるような、何か危ういものを感じる。 それは少数意見の尊重という 問題である。 文明はどれも、異端妄説、多事争論から生れる、と言った福沢 諭吉の『文明論之概略』を引くまでもないだろう。 以前から党議拘束という ものに疑問を感じていた。 議員個人の信念にもとづく投票行動は尊重されな ければならないと思う。 そんなことを考えていて、学生時代にちょうどその 時代だったジョン・F・ケネディが、ピュリツァー賞を受けた『勇気ある人々』 のことを思い出した。
本棚に昭和38(1963)年に出た青少年版の翻訳本(下島連訳・日本外政学会刊) があって、当時読んだメモがはさんであった。 アメリカ史の関連年表を百科 事典で作ってから、読んでいた。
勇気と政治:政治家への圧力 (1)クラブや仲間の称賛を得たいという気持 (2)再選を願う気持 (3)選挙区その他の圧力。 勇気のある人だけが、これら の圧力に反対する。 彼らは民主主義に対する本当の信念、国家に対する不変 の忠誠心を持つ人である。
個々の人物とその事例は、また別に書くが、ケネディは言う「これらの物語 は民主主義の物語である。この国民が、言論の自由と不同意の自由の遺産を維 持しなかったならば、公明正大な意見の戦いを助長しなかったならば、不人気 な見解に対する寛容を育成しなかったならば、このような物語は存在しえない のである。」
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