福沢諭吉の、墓についての考え2011/08/23 05:41

黒田康敬さんが送って下さった葦原雅亮の「福澤先生の墓」という文章で、 面白かったのは、福沢諭吉の墓についての考え方だった。 福沢が生前こう言 っていたのを、葦原雅亮は聞いていた。

 「墓石を大きくするといふことはつまらぬことである。人間の家といふもの は栄枯盛衰ちつとも当てにならぬもので、子孫が貧乏したり、跡絶えになつた りすれば、墓は墓荒らしになり、墓石はひつくり返り、見るも哀れであるが、 さうなると大きな墓石ほど見苦しくも哀れにもなる。乃公の母の墓石は此の通 り小さいが、何も費用を吝むのではない。以上の理由からわざと斯うしてゐる。 母に限らず私の墓石も之に準ずるやうに遺言してある。費用は幕政時代の一両 小判である。今小判一枚の価は二十円位であるが、時代により何程になるか分 らぬが、いくらになつても一両小判一枚(純金四匁)の標準で間違ない。」

 ここで、脱線。 ドル安、経済不安で、金が高騰して、金を売る人が店に殺 到しているという。 金の値段は今、1グラム4,800円くらいだそうだ。 一 匁は3.75グラムだから、四匁は15グラム、72,000円になる。 これでは、ち ょっと、少額過ぎるので、二十円のほうから考えなければならないかもしれな い。

 そういう遺言をした福沢であるが、その墓がどうなったかは、また明日。