柳家喬之進の「仏馬」2011/08/28 07:07

23日、歌舞伎から帰り、昼寝をしてから、落語に出かけた。 いつもの居酒 屋がなくなって、お仲間が見つけておいてくれた老舗の天婦羅屋さんへ行く。  試しにいろいろ注文し、どれも美味しかったので、みんな大満足、ここに決ま りそうだ。 第518回の落語研究会、演目は、次の通り。

「仏馬」    柳家 喬之進

「佐野山」   三遊亭 遊馬

「死神」    柳家 喜多八

    仲入

「お化け長屋」  桃月庵 白酒

「淀五郎」    春風亭 一朝

 喬之進、目黒区出身、2000(平成12)年、さん喬に入門し「さん市」、2003(平 成15)年、喬之進で二ッ目になったという。 あちこちへ噺に行く、北は北千 住から、南は南千住まで、と言う。 珍しいのでは、葬儀事務所の開店祝いに 呼ばれた(最近は、葬儀屋とは言わないのか?)。 長机の上でやる。 何かか ぶせるものをというので、白い布、鶴亀(?)の模様のあるやつ、座布団は、坊 主の使う立派なのがあった。 後ろの壁に社員の心得が貼ってある、「式の途中 で笑うな」。 この店、パン屋になる予定が駄目になって、葬儀事務所になった。  同じ焼くものだから、と言ったら、二度と呼んでくれなかった。 お寺に、生 臭坊主が出て来ると、噺の幕が開くと、「仏馬」に入る。

 「仏馬」は珍しい噺だ。 2002(平成14)年1月の第403回に、兄弟子の喬太 郎が演じたのを聴いたことがある。 般若湯に酔った弁長と、荷物を背負った 小僧の西念が寺に帰る途中、馬がつないであるのを見つける。 これもお釈迦 様の巡り合わせ、布施物(もつ)だと、馬に荷物を乗せて、西念が引いて帰り、 弁長は酔いを覚ますのに休んでいく。 馬の持主の百姓次郎兵衛が戻ってきて 黒馬を探すので、そこに寝ていた弁長は一計を案じ、「お帰りなさいませ、手前 でございます、仏罰で馬にされていたのが、人の役に立ったので、お釈迦様が 人間に戻してくれました」「働かねえ馬だったがねえ」「馬になったのが、修行 だった」「坊様、酒臭くないか」「夢の中で、お釈迦様に酒を頂いただ」

 一方、西念が馬を引いて来た寺では、和尚が馬は寺に置けぬから、明日、市 へ行って売って来てくれ、と金に替える。 馬がいなくては困る次郎兵衛、馬 を探しに市に来て、自分の黒馬とそっくりの馬を見つける。 「お前、仏罰で 馬にされたな、隠しても駄目だ、馬のくせに酒臭えのが、何よりの証拠だ」  喬之進、まずまずの出来だった。