竹中平蔵教授の反論、規制緩和で成長の持論2012/09/17 01:21

 2005年、小泉純一郎首相の下、景気もよかったし、消費増税の絶好の機会だ ったのに、増税の道筋もつけられなかったのは失政だったと、竹森教授は断じ られた時の経済政策の司令塔、経済財政、金融、郵政民営化、総務の各大臣を 歴任した竹中平蔵さんは今、慶應義塾大学総合政策学部教授、グローバルセキ ュリティ研究所所長である。 その竹中平蔵教授への、竹森教授と同じ朝日新 聞のインタビュー記事があった(5月25日朝刊オピニオン面)。 題して「反 消費増税の核心」、見出しは「「とりあえず」では財政再建は無理 低福祉重税 になる」「予算に上限設け普通の成長めざせ 所得税こそ是正を」である。

 問題の「経済がよいときになぜ増税しなかったか」という批判に、竹中教授 はこう答えている。 私たちには明確なプランがあった。 2011年ごろにまず 基礎的財政黒字を実現し、それから財政再建と社会保障改革の第2段階に行く。  政策は手順が大事なのだ。 大きな改革の実現には最低2年はかかるものだ。  小泉政権の5年5か月ならせいぜい2~3課題、それが不良債権処理、道路公 団民営化、郵政民営化だ。 最後の1年は、財政の膨張を具体的に抑える仕上 げの年だった。 それでも改革が足りないと批判されたら、甘んじて受けるし かない。

 竹中平蔵教授は、自著『竹中式 イノベーション仕事術 「楽には生きられな い日本」で闘う12の力』(幻冬舎)のインタビュー広告(5月29日朝日新聞朝 刊)「日本のゆくえ」「不安とポピュリズムの悪循環のなか自立した個人が未来 を決める」で、こう語っていた。 日本経済の復活は難しいことではない。 日 本には優れた技術も人材も、資本もそろっている。 自由な経済活動を抑える 規制や補助金を、とにかく廃止することだ。 経済が普通の成長軌道にのれば、 財政再建も必ずできる。 問題は既得権益をもつ人たちを説得できるリーダー がいないこと。 私は「みんなの言うことを聞く」ことがリーダーの役目だと は思わない。 真のリーダーとは、「今は苦しいけど、みんなで努力してこの危 機を乗り越えよう」とみんなを説得できる人のことだと思う。