「虫」と「撫子」の句会2012/09/18 01:33

 13日は「夏潮」渋谷句会だった。 兼題は「虫(一切)」と「撫子(なでし こ)」、私はつぎの七句を出した。

陸奥の虫のこぞりて絶唱す

鈴虫をあちらこちらに撒く男

鉦叩谷中の路地の築地塀

邯鄲の声と星降る並木道

校章はなでしこ強く美しく

吹く風に河原撫子水も澄む

見慣れたる庭の撫子誇らしげ

 私が選句したのは、つぎの七句。

妹がまだ帰らざる虫時雨      英

虫の音のあたり窺がう気配して   松子

星一つ寺への道は虫時雨      やすし

正札のついて売られてきりぎりす  梓渕

虫の声聴きつ湯に入る日の終わり  淳子

土塁のみ残る城跡昼の虫      さえ

撫子に池ノ平の華やげる      和子

 私の結果は〈鉦叩谷中の路地の築地塀〉を和子さん・やすしさん・耕一さん・ 幸雄さんが、〈校章はなでしこ強く美しく〉を主宰と幸雄さんが採ってくれて、 主宰選1句、互選5票の計6票、まあまあというところだった。

 〈校章はなでしこ強く美しく〉を主宰は、撫子の花を詠む季題にどうかとい う向きもあるだろうが、校章を思い浮かべることができた、女学校だろうか、 と評してくださった。 実はこれ、私の小学校の校章で、品川区立延山小学校 (えんざん・中延の延と、小山の山)、私が低学年だった昭和24、5年頃に出 来た堀内敬三作詞・作曲(『若き血』と同じ)の校歌の二番に「校のしるしの な でしこのよう われらは伸びよう やさしく強く」というのがあった。 ちな みに今でも歌える一番は、「日本の都 大東京の 栄える町に 富士のね仰ぎ  とうとくそびえる 延山わが校 進む時代のめぐみをあびて われらは学ぼう  世界の知識」というのだった。