古今亭菊六真打昇進襲名披露興行の序2012/09/29 00:36

 8月25日にご近所の「宮本三郎記念美術館」で「古今亭菊六独演会」を聴き、 「待ってました、四丁目」と声を掛けたご縁で、24日夜、上野の鈴本演芸場に、 古今亭菊六改メ古今亭文菊の「真打昇進襲名披露興行」を観に行った。 出演 者の顔ぶれもよく、張り詰めた緊張の中にも、若手の門出を祝す温かい雰囲気 の感じられる、素晴らしい興行だった。 偶然のご縁から始まったことだが、 思わぬ拾い物をした、随分得した気分になった。

 夕方5時20分、開口一番は古今亭駒次、突然菊六が文菊に替るのは、東武 伊勢崎線がスカイツリーラインになったようなものだ、と。 自分には「大爆 笑」や「芝浜」は無理、ライフワークは喫茶店で他人の話を聴くことだといい、 おばさん連中が、帰った人の悪口をつぎつぎにいう新作(?)。 12億の豪邸 を一括で買った山田さんの長男、マサチューセッツ工科大学MITを出てNASA の研究員だと聞いていたが、実は、ドサの芸人だった。 田中さんは、顔を整 形。 綾瀬はるかにするには1億円、上沼恵美子なら100万円。 佐藤さん、 実は男。 といった噺、テンポがあって、とても面白かった。

 志ん輔は「宮戸川」の序、電車の中でみんなゲームをやっているが、おじさ んもやってみると、けっこう面白いと、将棋に凝って締め出しを食った半ちゃ んの話に入る。 花骨牌(はながるた、花札)で締め出しを食べちゃったお花 の、エッサ、エッサと、足の速いこと、追い抜いてどこ行くの? 「お花半七、 馴初めの一席」で下りた。

 翁家和楽社中三人の大神楽曲芸、傘の上で毬や枡を回したり、くわえた鉄の 撥の上で土瓶をいろいろと動かしたりして、ナイフの交換取りになる。 怪我 に強いという和助を中にして、今日は違うナイフと鋭いものに変える。 一瞬、 顔に当たったかに見せたのも、想定の内なのだろう。 ここで5時55分、テ ンポのよい、絶妙の出だしであった。