市馬、正蔵、小三治と続く2012/10/02 00:46

 ここから市馬、正蔵、小三治と続くのだから、こたえられない。  柳亭市馬は「一目上り」。 ご隠居の趣味はと聞けば、書画。 寿司の横にあ る。 あれはショウガ。 へこの間(へこんでるから)の掛けもの、笹の葉の 塩漬け? 雪折れ竹だな、「しなわるるだけはこらえよ雪の竹」としてある。 お つな都々逸だね。 賛だ、けっこうな賛でございますと褒めれば、みんなお前 をたっとぶ。 お茶漬で…、かっこむ。 大家さん、化け物ある? 掛物だろ う。 字ばかりだね。 私が褒めるんだから、読んでくださいよ。 けっこう な賛で。 賛じゃない、詩だ、根岸の亀田鵬斎先生の詩だ。 お医者の先生、 談判したい。 ご恩返しに風邪でも引こうかと思うが、ご無沙汰で。 掛物を 見せて下さい。 掛物にご執心か? 宗旨は法華で。 いささか大幅だ。 中 は白餡。 けっこうな詩で。 詩じゃない、悟ですよ。 一休禅師悟りの悟だ。  一目っつ、上がってるんだ。 留公んちへ行こう、ヨッ けだもの。 すごい挨 拶だな。 船におじさんが乗っている絵だな。 太った腹を出して袋を担いで いるのは? 唐土四明山の布袋和尚だ。 モロコシと金山寺味噌を盗んだふて え野郎だ。 いい六だな。 いや、七福神だ。 横にある短冊は何だ? 古池 や蛙飛びこむ水の音。 いい八だな。 いいや、芭蕉の句だ。

 正蔵は「鼓ヶ滝」。 正蔵のこれは、以前落語研究会で聴いて、教養添削落語 「鼓ヶ滝」<小人閑居日記 2005.11.27.>に書いているので、興味のある方は ご参照を。 今回は「ニワトリがコケコッコーと鳴いたから、昼のご飯はケン タッキー」とやって、白鳥の落語のようだ、と始めた。 前に「感心しなかっ た」と書いた「永谷園」を、まだ使っていた。

 小三治は「小言念仏」、さすが一番の拍手だった。 わからない世の中だ、中 国、韓国の問題。 新宿区の住まいから外苑の方へ行くのに、四谷四丁目の交 差点を通るのだが、左に曲がったところに韓国大使館がある。 いつもあるバ リケードが役に立っていた、お巡りが何か言っているが、聞こえない。 右翼 が家賃の高そうな馬鹿でかい街宣車で「ジャンジャンジャカジャカ」と軍艦マ ーチ、「自民党、手前えら、どっかへ行け」と怒鳴っている。 どこの味方か、 わかんなくなっちゃった。 五月蠅いけれど、言っていることは確か。(と、お 茶を飲む)

 信心深い人は、仏壇の前でお念仏を唱える。 小さんも、キンコンカンと何 かやっていた。 日蓮宗、どうも信心深いとは思えないけれど、毎朝、歯を磨 くのと同じなんでしょう。 と、扇子で木魚を叩きながら、小言念仏に入る。  これが、最高に可笑しかった。 南無阿弥陀、南無阿弥陀、赤ん坊が這って来 た。 こっち来るよ。 ツラ覗き込んで、変な顔してる。 ナムナムナム、バ ァー。 考えてる。 気をつけろ! 首かしげたまま、動かない。 やっちゃ った。 鉄瓶の湯、こぼして、拭け。 そうじゃない、畳の目なりに拭くんだ。  おつけの実、何にしましょう? 表に、ドジョウ屋が来たぞ。 大きい声で、 呼ばないと…。 ドジョウ屋! ドジョウ屋――ッ!  南無阿弥陀、南無阿 弥陀!