「案山子」と「菊」、わが選句2012/10/17 00:36

「案山子」と「菊」の句会で、私が選句したのは、つぎの七句。
  ぼろ着ても瑞穂の国の案山子なり   松子
  案山子には洗い晒しの紺絣       松子
  口結び風にあがらふ案山子かな    ひろし
  菊咲かせ土捏ねあるじ無口なる     良
  抱き寄せて猫の爪切る菊日和      ひろし
  菊活けて私語一つなき弓道場      ひろし
  心地よき吟行疲れ菊の晴        なな

 ひろしさんを三句、松子さんを二句も採っていた。 主宰の選評でも、つぎのような
言及があった。 〈ぼろ着ても瑞穂の国の案山子なり〉…「なり」がいい、前へ「デン
と」出て来る、日本人のアイデンティティーにまで及ぶ。 〈抱き寄せて猫の爪切る菊
日和〉…どてっとした猫だろう、時間の流れが遅い、ゆったりとしている。 〈心地よ
き吟行疲れ菊の晴〉…いいですね、俳人(俳句をやる人)ならば分かる、句会で一喜一憂した後で。