「志木歩こう会」俳句「早稲田から神楽坂へ」2015/01/01 07:10

明けましておめでとうございます。 吉例となった俳誌『夏潮』一月号の親 潮賞応募作を、初笑いのタネにさらけ出すことにする。 残念ながら今年も末 席、二句紹介組だった。 昨年10月4日の慶應志木高の同窓会「志木会」の 「志木歩こう会」「早稲田から神楽坂へ」の折に詠んだ一連の句である。

秋晴や鉄腕アトムのホーム降り

案外に澄む神田川秋の水

御三卿清水の庭は百日紅

穴まどひ刺激するなと貼紙に

馬肥ゆる馬場の外れの決闘碑

金融通の社は豪奢花すゝき

三田の山に似たる銀杏の早稲田にも

椎の実を拾ひ大隈像見上げ

日吉館八一看板秋思ふ

硝子戸の外は鳥呼ぶ落霜紅(ウメモドキ)

漱石のテラスの端に芭蕉の葉

行儀よく木賊つんつん立ちにけり

えごの実と係の人は教へくれ

金柑の一つだけ生る猫の路地

松花堂弁当に鮭位置を占め

秋澄むや林氏の墓八十一

琴の音に居眠りも出て秋日濃し

城址は念仏の寺菊香る

神楽坂電線のなき秋の空

新路の黒板塀に柘榴映え

 なお、辛うじて『夏潮』に掲載していただいた句は、<穴まどひ刺激するな と貼紙に>と<馬肥ゆる馬場の外れの決闘碑>であった。