『村上開新堂II』戦後の歩みを記録2018/12/25 07:16

 2015年に頂いたご本の続編、山本道子・山本馨里(かおり)著『村上開新堂 II』(講談社)を、また送って頂いた。 2014年に創業140年を記念して編ま れた『村上開新堂I』については、4回にわたって書き、その後、NHK BS『新 日本風土記』「皇居界隈」で放映された、その作業場についても触れた。

こだわりの西洋菓子「村上開新堂」<小人閑居日記 2015.5.28.>

武士からパティシエになった初代<小人閑居日記 2015.5.29.>

開新堂創業と、後継者の教育<小人閑居日記 2015.5.30.>

「村上開新堂」の味と哲学をつくった三代目<小人閑居日記 2015.5.31.>

村上開新堂・山本道子さんの作業場<小人閑居日記 2015.7.12.>

 『村上開新堂II』は、終戦の年に生れた現在の五代目当主・山本道子さんの 目を通して、戦後の村上開新堂の歩みを記録している。 この本もまた、図版 や写真が豊富に掲載されていて、美しく、楽しい、立派な本に仕上がっている。  以下、敬称を略す部分があるのをお許し願う。 一巻では山本道子さんの祖父 三代目・村上二郎が「村上開新堂」の味と哲学のほとんどを完成させたことが 述べられていた。 二巻は、道子さんのご両親、四代目發(あきら)と寿美子 の時代、そして道子さんが三代目の孫としてどのように育ち、「開新堂」らしい 感性を磨いていったか、どんな思いで「開新堂」を育んできたのかを、道子さ ん自身が綴っている。 本も立派だが、道子さんと「村上開新堂」の歩みもま た立派で、圧倒される思いがした。

 写真を見ると、今の道子さんによく似ていらっしゃる母寿美子さんが、夢だ ったレストランを始められたのには、三代目・二郎さんの小布施への転地療養 と、道子さんの姉・由希子さんの死があった。 由希子さんは、私の一年上で 存じ上げていて、そのことを下記に書いたことがあった。

村上由希子さん記念の奨学金制度<小人閑居日記 2011. 8. 21.>

 道子さんの夫君、山本昌英さんが由希子さんの同級生で住友商事勤務、道子 さんは大学3年の時21歳で結婚、翌年卒業し長女・珠貴さんが誕生したこと を知らなかった。 その翌年、夫君の転勤したニューヨークに、1歳の珠貴さ んを連れて渡ることになる。

 「村上開新堂」は、レストランを支えた歴代の料理長と支配人、元看護婦さ ん始め、従業員の方々に恵まれている。 最後のページにある全員のお名前の 掲載と集合写真の笑顔から、人を大事にする姿勢、その家族的な雰囲気が伝わ ってくる。

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