「萬來舎・ノグチルーム」見物[昔、書いた福沢166]2019/12/09 07:04

      「萬來舎・ノグチルーム」見物<小人閑居日記 2003.3.11.>

 昨日は、暇人のやじ馬で、三田の山で「萬來舎・ノグチルーム」というのを 覗いて来た。 学生時代はもちろん、最近ニュースになるまで、そんなものが あることすら、知らなかった。 公開二日目の昼前、740番という整理券を もらって並んでいたら、後ろの慶應の学生の母親という人に「あの、蔵みたい な建物は何ですか」と訊かれた。 これは知っていて、「演説館」。 三田通り 側の幻の門のあたりは、桜がチラホラ、キャンパスは入学手続に来た嬉しそう な若い人やご家族がそこここにいて、なかなかいい風景だった。

 「萬來舎・ノグチルーム」というのは、慶應の三田キャンパスにある、私が 学生の頃は第二研究室と呼んでいた建物で、昭和26(1951)年8月に建 っている。 谷口吉郎の設計、1階玄関部南側に談話室として設けられた小ホ ールのデザイン、前庭とそこに設置された三点の彫刻をイサム・ノグチが担当 した。 この建物が建てられた場所は、明治初年、福沢諭吉が「千客万来、来 る者はこばまず、去る者は追わず」という精神で「萬來舎」を開設した所だっ た。 新しい建物は「新萬來舎」として構想されたのだった。 今度、慶應で は新しい大学院施設をこの場所に建設することになり、この「萬來舎・ノグチ ルーム」を壊し、その一部を移築することにしたので、問題化したのだった。

 初めて見たノグチルームは、山小屋風といったデザインで、中央の暖炉や籐 (だと思う)の敷物や編み細工のもたれ、曲線に特色のあるテーブルや長椅子 などの家具が、目についた。 前庭の彫刻、白河石の「無」は似たようなもの が湘南の海岸にあったような気がし、鋳造鉄板の「若い人」と鋳造鉄棒の「学 生」はかなり錆びていた。

コメント

_ 清宮政宏 ― 2019/12/12 17:33

ノグチルームは、自分の在学中からありましたね(今の大学院校舎のあるところ)。昔は気軽な感じで立ち寄れたように思いますが、今もあるとは聞きながら、三田に行っても寄ることはなくなってしまいました。

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