「浮寝鳥」と「冬ざるる」の句会2020/12/21 07:11

 12月の『夏潮』渋谷句会も、残念ながら会場ではなく、通信での開催となった。 前田ななさんが、取り仕切って下さったが、20名参加、140句の大句会となった。 兼題は「浮寝鳥」と「冬ざるる」、私は次の七句を出した。

スワンボートになる夢を見て浮寝鳥

化政より累代濠に浮寝鳥

新年の参賀も中止浮寝鳥

ガタガタとシャッター通り冬ざるる

古戦場石碑立つのみ冬ざるる

廃校は門だけ残し冬ざるる

仲見世やインバウンド絶え冬ざるる

 私は、次の七句を選句した。

賤ヶ岳よりの風受く浮寝鳥        祐之

冬ざれて虚子句碑の前石ひとつ      庸夫

遊歩道ここに途切れて冬ざるる      裕子

冬ざれや星五位一羽蹲る         真智子

冬ざれの庭を見遣りつひとり白湯(サユ) 盛夫

冬ざれや世田谷風土記載りし城      耕一

室外機裏にずらりと冬ざるる       美保

 私の結果。 <新年の参賀も中止浮寝鳥>は主宰選、<ガタガタとシャッター通り冬ざるる>を孝治さん、<古戦場石碑立つのみ冬ざるる>を淳子さん、<廃校は門だけ残し冬ざるる>を主宰とななさんが採ってくれた。 主宰選二句、互選三票、計五票。 一年の締めくくり、まずまずというところか。

 平成18(2006)年6月14日に第1回が渋谷区立勤労福祉会館で開かれた渋谷句会の幹事を、渋谷区リフレッシュ氷川に会場が移った後、平成19(2007)年7月12日の第13回から引き継いで務めてきたが、この第144回句会をもって櫻井耕一さんに交代していただくことになった。 東日本大震災のため、二回の中止、他会場での開催があり、そして、今年はコロナ禍で二回の中止、四回が通信句会となった。 第50回と第100回に、記念の会を銀座長寿庵で開いたのがよい思い出である。

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