アルマーニ銀座タワーの陽光桜2021/03/19 04:35

 17日、彼岸入りの墓参りをして、銀座に出て、蕗の薹や鱚や穴子の天ぷらで春を満喫した後、デザートは銀座千疋屋パーラーで苺クリーム(千葉県産紅つやか)と洒落て、四丁目の交差点の方へ歩いていた。 いつも交詢社に行く時に曲る、ジョルジオ・アルマーニ銀座タワーのエントランスに、家内が足を止めた。 案内のお兄さんに、写真を撮ってもよいかと聞くと、まるで我が子のことでも話すように「どうぞ、撮ってやって下さい」と言う。 埼玉県の陽光桜という品種だそうだ。 ホームページには、毎年飾って春の風物詩と好評、24日まで展示予定とあった。

 陽光桜、知らなかったが、愛媛県の高岡正明という人が、アマギヨシノとカンヒザクラを交雑させてつくった栽培品種だそうだ。 高岡正明さんは、第二次大戦中、青年学校農業科の先生で、「お国のために戦って来い、そしてまたこの桜の木の下で会おう」と教え子たちを送り出したが、その多くが帰って来なかった。 そして戦死した教え子たちの冥福と平和とを祈って、各地に桜を贈ることを思い立ち、環境適応能力の強いサクラをつくろうと、25年間の試行錯誤の後に、寒さに強い日本のソメイヨシノ(染井吉野)に由来を持つアマギヨシノ(天城吉野)と、台湾もしくは日本の暑さに強いカンヒザクラ(寒緋桜)を交雑させてヨウコウ(陽光)を誕生させた。 樹形は広卵状で、ソメイヨシノより早く咲き、花は一重で大輪、鮮やかなピンク色が特徴。

 2015年には、高岡正明さんがヨウコウを誕生させた物語を描いた、高橋玄監督・脚本、笹野高史(『釣りバカ日誌』の運転手)主演の映画『陽光桜―YOKO THE CHERRY BLOSSOM』が公開された。 シンガーソングライターの茜沢ユメルはこの誕生秘話を後世に伝えるため、2013年に「Stay~さくらの花のように」「夢桜~あなたの希望になる~」を、2018年に「風になって花と踊ろう」「さくら」「陽光桜~あの時の教え子たちへ」をリリースし、2017年には茜沢が初監督を務めたインディーズ作品『陽光の木の下で』が、豊洲の新人監督映画祭で上映されたという。 どちらも、まったく知らなかった。

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