朝ドラ『おちょやん』千秋楽を見て2021/05/17 07:04

 連続テレビ小説『おちょやん』(八津弘幸脚本)が14日に千秋楽を迎えた。 浪花千栄子をモデルにして、戦前戦後の上方喜劇の歴史を描いていた。 戦後、花菱アチャコとの共演で復活する『お父さんはお人好し』は、子供の頃にラジオで聴いて憶えている。 関西弁なので、『日曜娯楽版』や『二十の扉』『話の泉』、三遊亭金馬や円歌や歌笑、春風亭柳橋の落語ほど、楽しみにして熱心に聴いたわけではなかったが…。 当時は、ラジオしかなかったのだ。

 月曜日、午後8時からの放送で、『お父さんはお人好し』は1954(昭和29)年に始まり、その前1952(昭和27)年に始まった『アチャコ青春手帖』で浪花千栄子の復活があったのだそうだ。 1954(昭和29)年、私は小学6年生だ。 長沖一(ながおき まこと)作、というのも憶えている。 朝ドラでは長澤誠、生瀬勝久が演じた。 『お父さんはお人好し』が五男七女の12人の子供で思い出したのだが、当時アメリカ映画に『1ダースなら安くなる』(ウォルター・ラング監督作品、1950年)という子供が12人いる時間動作研究、能率向上エンジニアの愉快な映画があった。 長沖一は、影響を受けたのだろうか。 『おちょやん』のタイトルロールに、資料協力で館直志事務所というのが出ていたが、館直志(たてなおし)という名もラジオで作者として記憶にある。 館直志は、すなわち二代目渋谷天外、ドラマで天海一平、二代目天海天海(成田凌)である。

 成田凌、老け役などもこなして、好演だった。 竹井千代の杉咲花は、童顔のせいもあって年取らず、東京出身で関西弁には苦労したのだろう、台詞が聞き取りづらいところがあった。 千代の子供時代と、姪で養女になる春子をやった毎田暖乃(のの)は、子供時代が強烈すぎて、後は印象が薄いように思ったが、演じ分けがすごいという演出家の評も見た。 千代の父、テルヲのトータス松本、始終街でダメ親父と文句を言われたという損な役だったが、それだけ演技が真に迫っていたと、自ら慰めるほかないだろう。