「アパートとマンションの違いはどこにあるの?」2021/05/24 07:15

 21日放送、和田アキ子とウエンツ瑛士がゲストの『チコちゃんに叱られる』で、「アパートとマンションの違いはどこにあるの?」というのを、やっていた。 答は、「借りるのがアパート、買うのがマンション」。 「マンション」という言葉を法律に書くのにかかわったという、鎌野邦樹早稲田大学法科大学院教授が、解説していた。 アパートもマンションも、日本では「一つの建物に複数の住まいが入っている集合住宅」として使われている。 そもそも英語で、アパート(apartment)=集合住宅、マンション(mansion)=大邸宅、という意味だ。 二つの用語を区別して使うようになった背景には、日本の集合住宅の歴史があった。

 最初に使われたのは「アパート」、明治時代、大都市に人口が集中するようになって、1910(明治43)年上野恩賜公園の側に上野倶楽部という木造5階建、63室の日本初の「アパート」が誕生した。 関東大震災後、多くの建物が失われたため、「同潤会」という組織が、東京、横浜に鉄筋コンクリート造、電気、都市ガス、水洗便所、ダストシュートもある近代的「アパート」を建設した。 青山(表参道)、代官山、江戸川などは、記憶に残っている。 戦後の復興では、住宅公団の団地が建てられ、高度経済成長期には高島平などマンモス団地も生まれた。

 1953(昭和28)年、東京渋谷に「一つの建物内の部屋を別々の人が買う分譲の集合住宅」が生れた。 まだ「マンション」という言葉が生まれる前だったので、「宮益坂アパート」という名だったが、日本初の分譲集合住宅、つまり「マンション」だった。 平均年収が34万円の当時で、80万~100万円だったそうだ。 さらに、ハイツ(heights)=高台、コーポ(ラティブ・ハウス)(cooperative house)=共同住宅、レジデンス(residence)=邸宅などという名前で、分譲集合住宅が売り出された。 ここで、上に掲げた広告の写真が出たのだが、実は左の「広尾ハイツ」に結婚後半年で住んだので(明日、詳しく書く予定)、この『チコちゃんに叱られる』を書くことになった。 最初に「マンション」と名付けたのは、四谷三丁目駅に近い新宿区須賀町の「信濃町アジアマンション」(1959(昭和34)年11月・松井建設施工)が最初だそうだ。

 「マンション」という言葉が定着したのは、鎌野邦樹教授もかかわって、共用スペースの管理や建て替えの問題を扱う管理組合などを規定した区分所有法(1962(昭和37)年)が制定されてからだという。 2000(平成12)年には、「マンション」を冠したマンション管理適正化法もできた。