旅する内にイザベラ・バードの心境は2021/06/10 07:05

 そこで2012年放送のBSの番組「にっぽん微笑みの国の物語」イザベラ・バードの旅である。 イザベラ・バードの『日本奥地紀行』の挿絵(心象風景)が、船から日本を初めて見た時の「とんがった富士山」から、しばらく経ってから眺めた「なだらかな裾野を持つ富士山」へと変化していったと同じように、バードの日本観も「不潔で、時代遅れ」から、旅をする内に変わって行く。 米沢平野の、北には温泉町赤湯がある田畑と山の多彩な緑の風景を見て、ここはエデンの園、「東洋のアルカディア」だと言う。

 番組ではオックスフォード大学の卒論でイザベラ・バードの『日本奥地紀行』をテーマにしたというアイルランド人の英文学教師、デュンラ・バード(29)(同じバードだが親戚ではない)が2011年に、イザベラ・バードの旅行の跡をたどった。 福島県下郷町の大内宿では、イザベラの見た江戸時代がそのまま生きて動いていることに感激する。 イザベラが泊まった名主の阿部家では、90歳代の当主の思い出話を聞き、イザベラの寝た部屋の畳に横になって、その感触を確かめ、天井の高さも感じていた。 秋田県横手市(大森町末野か?)では、「鹿島様」という巨大な藁人形が、すっくと立って、疫病や悪霊から村を守っているのを見る。 地域挙げての「鹿島様」のお祭りには、子供たちも参加して、伝統が受け継がれている。           (つづく)