生きたいという気持ち、生きていることの尊さ2021/08/14 07:33

 『ライオンのおやつ』、海野雫は「ライオンの家」に入ることを一人で決めた。 「幼いうちから人が孤独だってことを、しっかり受け入れていたのかもしれない。」 「ライオンの家」という風変りな名前の由来を、「ライオンは、動物界のなんだかわかりますか?」とマドンナは雫に質問し、百獣の王、「つまり、ライオンはもう、敵に襲われる心配がないのです。安心して、食べたり、寝たり、すればいいってことです」と言う。

 マドンナは、このホスピスを主宰する看護師で、緩和ケアを専門とする医師と連携しながら、適切な処置をほどこしてくれる。 マドンナの存在は、ゲストたちの心と体の大きな支えだ。 ナース服ではなくメイド服に身を包んでいるのは、ゲストたちへ向けたおもてなしの気持ちなのかもしれない、と雫は解釈した。 ホスピスは、体と心、両方の痛みを和らげるお手伝いをしてくれる場所だった。

 タヒチ君の話では、マドンナ自身は他所から来た人で、養女になった父親がすごい資産家でこの島にも土地を持っていたが、病気になり、マドンナが看病していて、本当は家に帰りたかったけれど、病院で最期を迎えることしかできなかったらしい。 そこで父親が自分みたいな悲しい思いをする人がすこしでも減るようにって思いで、財産をホスピスの運営に使うことを希望し、マドンナが看護師とカウンセラーの資格を取り、この島に「ライオンの家」を作った。

 雫は、もも太郎、百ちゃんという幼い女の子の健気な最期を見送って、気づいた。 死を受け入れるということは、生きたい、もっともっと長生きしたいという気持ちも正直に認めることなんだ、と。 なるようにしかならない人生を、ただただ体全部で受け入れて命の尽きるその瞬間まで精一杯生きることが、人生を全うするということなのだろう、と思う。 その夜、ようやく思い出のおやつのリクエストを便箋にまとめることができた。 百ちゃんが、生きていることの尊さを教えてくれたおかげだった。

 「何が大事かって、今を生きているってこと。」 「人は生きている限り、変わるチャンスがある。」 「人生は一本のろうそくに似ている。 生きることは、誰かの光になること。」

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