東北楽天の新規参入、2リーグ12球団維持2021/09/19 07:35

 古田敦也と握手しようとして拒否されたニュース映像が印象に残っている、瀬戸山隆三はロッテマリーンズの球団代表だった。 悪役になって、脅迫状も来たという。 16年目の告白、大阪近鉄バッファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併構想が発表された2004(平成16)年6月13日、球団オーナーの重光昭夫から、ダイエーが経営危機にあるので、ロッテが「白馬の騎士」となって、福岡ダイエーホークスと合併する話を聞かされた。 自分がダイエーからスカウトされてロッテに来たのは、そのためだったのかと思ったという。 球団オーナーたちは、球界再編成の構想を密室で決定していたのだった。 選手会と交渉しているのは、自分たち球団代表クラスで、そうしたコミュニケーション不全があったのは、苦い教訓だ。 (福岡ダイエーホークスは、ソフトバンクが買収し、2005年から福岡ソフトバンクホークスとなった。)

 第三の証言者は、経営コンサルタントの井上智治、楽天の新規参入のキーマンだ。 6月30日のヒルズ族、ライブドア堀江貴文代表の新規参入の申し出は、オーナーたちに黙殺されていた。 9月上旬、井上に電話があり、極秘ミッションが始まった。 球団の新規参入に、しっかりした人を探してほしい、と。 楽天の三木谷浩史社長とは、特別アドバイザーとして、Jリーグ神戸の件で関わっていた。 消極的だった三木谷に、プロ野球球団の圧倒的な宣伝効果(あおぞらカードを買収していた)、黒字化(球場関連の利益)の可能性を説いた。ストライキ前日の9月16日に楽天が、新規参入に名乗りを上げ、世間はライブドアと比べ「後出しじゃんけん」と評した。 9月23日、経営陣は歩み寄りの姿勢を見せ、来季の新規球団の参入可能が決定する。

 2004年11月2日、オーナー会議で、東北楽天ゴールデンイーグルスの新規参入が承認され、ライブドアの参入は認められなかった。 楽天は、宮城球場の改修をすることで、球場の経営権を手に入れる。 入場料やグッズ販売などで、1年目から5千万円の黒字を出した。 井上智治は、リーグビジネスとしてプロ野球を成功させよう、その情報を交互に公開して、ともに発展するパ・リーグ改革を説いた。 瀬戸山隆三が球団代表だったロッテマリーンズも、千葉市からの球場の運営権を獲得し、選手と地域の人々の強い結びつきを誇っている。 井上智治は、2008年から2018年までパ・リーグ理事長を務めた。

 東北楽天ゴールデンイーグルス、2005年(田尾安志監督)は38勝97敗1分の出発だったが、2013年には日本一になり(星野仙一監督)、2011年に東日本大震災を経験した東北の人達に希望を与えた。