失敗の記録、日本政府と私2022/01/25 07:02

    失敗の記録、日本政府と私<小人閑居日記 2014.8.27.>

 [BS1]スペシャル『山本五十六の真実』を見て、日本に失敗の研究と反省、文書や記録を残す精神がなかったこと、暗号の解読など科学の応用の欠如が、敗戦につながったことを、改めて学んだ。 大本営発表では、国民が真相を知らされていなかった、情報公開にも大きな問題があった。 ミッドウェー海戦でも大本営発表は、「空母エンタープライズ、ホーネットを撃沈。米軍機120機撃墜。味方の損害は、空母1隻、重巡洋艦1隻沈没、空母1隻大破、未帰還機35機。」だったが、実際はアメリカが珊瑚海海戦後修理した空母ヨークタウンと駆逐艦ハンマンの沈没喪失、日本側は空母4隻とその搭載飛行機の全てを失っていたのだ。

私は、東日本大震災後、原子力災害対策本部など政府の主要な会議で記録がないことが、問題になったことを思い出した。 そして政府は昨年10月になって、閣議や閣僚懇談会の議事録を作成、保存するため、公文書管理法を改正する方針をようやく決めたのである。 太平洋戦争の失敗の教訓は、70年を経た今日までも、まったく生かされていなかった。 その70年を、私はその一員として生きていたのである。 これは反省して、謝るほかはない。 どうも、すみません。

 戦後10年を過ぎた、私の学生時代から社会に出た頃にかけて、戦争の反省もあって、アメリカの科学的な手法の紹介が盛んだった。 たとえば、オペレーションズ・リサーチ(OR)。 第二次大戦中、英米両国で軍事作戦上の研究として発達した科学的・数学的な作戦計画の手法だ。 日本では高度成長期に、もっぱら企業経営方法の調査・研究に応用された。 さらには、ファイリング・システムなどの情報整理管理手法。

 私は「実学(サイヤンス)=実証科学」を説いて、科学の進歩に信頼をおく塾祖を持つ学校に学んで、俗に計量経済学と呼ばれる経済理論・統計学・数学を利用して、実証的な立場から数量的検証を行う経済学を専攻した。 自然科学の手法を、社会科学にも応用する。 問題を発見し、仮説を立て、データを集めて分析し、その仮説を検証する、結論を出して解決策を示す。 一方、加藤秀俊さんの『整理学』や梅棹忠夫さんの『知的生産の技術』を愛読して、カードやファイリング、情報整理についての試行錯誤を繰り返した。 ワープロやパソコンをいじるようになったのは、その流れだ。

 後年、父の興したガラス工場を兄と一緒に畳むことになったが、その失敗の記録を残したかといえば、残していない。 辛うじて、毎日ブログを書き続けていることに、そうした過去のあれこれの蓄積や無駄が生きているのかどうか。 判然とはしないのである。 これも反省して、謝るほかはない。 どうも、すみません。

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