うめだよしはるさんの『花の百物語』 ― 2022/09/06 08:02
うめだよしはる(梅田芳春)さんから、『花の百物語』をご恵贈頂いた。 梅田さんは、90歳になって、何か残したいものと考えられ、以前からパソコンで作成してきた花を主題にしたホームページをまとめて、この『花の百物語』を冊子になさったという。 梅田さんは、私が1991(平成3)年3月にパソコン通信「朝日ネット」で「等々力短信・サロン」というフォーラム(会議室)を開設してもらった時(もう30年以上前になるのだ)、すでに「花と草木の園」というフォーラムのモデレーター(舞台回し役)として活躍しておられた。 そこで、等々力短信に書いた五島美術館の「三年に一度咲くコブシ」について質問したところ、「一般に隔年開花という現象はコブシにはないが、樹が大きくなり年を経た場合、樹勢が弱まり、そういうことも起こる」と回答して下さった。 いろいろ調べておられたら、奥様が神代植物公園の「緑の相談室」に問い合わせて下さったということだった。
その後、梅田さんは私が「等々力短信・サロン」に開いた「わいわい雑俳塾」という句会に主要メンバーとして参加して下さり、パソコン通信での毎月の句会だけでなく、等々力のお寿司屋さんで対面の句会を開いた際には、たまたまその五島美術館に吟行したこともあった。
長年のご努力の集大成、『花の百物語』が素晴らしい。 大きく「春の花」「晩春から夏の花」「秋の花」「晩秋から冬の花」に分けられている。
「秋の花」のトップは、「ニラの花」。 「庭の極一部に自家用としてニラを植え、必要に応じて切り取っては利用し、私の家ばかりでなく義父母の世帯でも、また息子夫婦の世帯でも、時には生協の回覧を運んでくださる近所の方にも喜ばれています。」とあり、<韮切って酒借りにゆく隣かな>という子規の句が引かれている。
ニラのつぼみが伸びはじめて、乳白色の細かな花が咲くのを、楽しみにしている、食べるために植えたと言っても、ニラの花は可憐だと、写真がある。 そして、鹿児島寿蔵の短歌を引いている。
韮の花まろき幾つかうぶうぶし其の薄皮のみどりが透きて
「秋の花」は以下、「ヒガンバナ」「カクラノオ」「ヘクソカズラ」「ノボタン」「タマスダレ」「ピラカンサ」「サフラン」「セイタカアワダチソウ」「ムラサキシキブ」「キンモクセイの甘い香り」等々へと続く。
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