国立国会図書館の「デジタルコレクション」サービス2023/04/19 06:43

たまたま、『三田評論』4月号の「執筆ノート」に、小林昌樹さんが『調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』(皓星社)を書いていた。 肩書は近代出版研究所所長・塾員。 国立国会図書館(NDL)を2021年に早期退職したのは、出版史や読書史を研究しようと思ったからで、塾の非常勤講師をしつつ、週一回神保町の出版社、皓星社に顔を出すことにした。 そこでは近代出版研究会を開催し、2022年4月に『近代出版研究』という年刊の研究同人誌を発刊した。 『調べる技術』は、皓星社の社長に自社のメルマガに何か連載を書いてほしいと言われ、NDL人文課で毎日やっていたルーチン、調べもののノウハウを書き出したものだった。

当初買ってくれたのは、ライター、校正者など、調べものを仕事にする人々だったらしいが、昨年末、有名書店で週間ベストセラーになって、とても驚いた。 想定に反し、ビジネス書として売れたのだった。 卒論書きの学部生、院生にも役立つはずだ。 実は『調べる技術』発行直後、NDLの重要データベース「デジタルコレクション」が大拡大された。 戦前図書や官報がメインだが、家の隣に帝国図書館が建ったようなもの。 日本の人文社会系学問が書き換わってしまうので、あわてて、「大検索時代のレファレンス・チップス」と題して、下記のメルマガ連載を再開したところだという。 https://www.libro-koseisha.co.jp/webcolumn_category/mail-reference-tips-daikensaku/

余談だが、「チップスtips」を辞書で引いてみた。 ヒント、秘訣、知恵。

そういえば、朝日新聞俳壇歌壇の「うたをよむ」2022年12月4日に、俳人の浅川芳直さんが「古くても新鮮」で、2022年に開始された国立国会図書館「デジタルコレクション」の個人向けデジタル化資料送信サービスで、河東碧梧桐の高弟、安斎桜磈子(おうかいし)(1886~1953)の資料を探した話があった。 <雨雲を角(つの)に去(い)なしぬ蝸牛(かたつむり) 桜磈子>

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