資生堂パーラーで“椿やさい”2023/06/11 07:17

 6月4日の日曜日、コロナ禍で3年間も開けなかった文化地理研究会の1964(昭和39)年卒の同期の会、「六四(むし)の会」が加藤代表の肝いりで銀座の資生堂パーラーで開かれた。 久しぶりということもあり、尾張一宮、箱根、大磯からも仲間が来て17名が出席、連絡がつく人で欠席は法事などがあった4名だけという盛会だった。 毎年、この日が誕生日なのだが、ご主人の医院を手伝っていてなかなか参加できなかったSさんも、日曜日で出席、デザートのケーキに二本立てた蝋燭を吹き消して、拍手を受けていた。 女性9名、男性8名、うち夫婦一組の17名。 亡くなった仲間の名前を挙げたら、男ばかりだった、やはり女性の方が長寿ということだろう。

 資生堂パーラー、6月は長崎県五島列島、壱岐の食材が楽しめるコースということだった。 前菜・スープ・魚料理または肉料理・デザートを選択する。 私はつぎのものを選んだ。 前菜は、“椿やさい”と “壱州豆腐”のオランデーズソースグラタン。 スープは、“椿やさい”のミックスポタージュ。 肉料理の、五島地鶏“しまさざなみ”フォアグラを詰めたモモ肉のソテー。 デザートは、ホワイトチョコレートムース リーフレタスとメロンのソルベを添えて、とコーヒー。

 食べている時は、“椿やさい”がわからず、「花椿」の資生堂だから「椿」、専属の農家でつくらせている野菜なんだろう、などと話していた。 すると、6日の新聞に吉永小百合の「椿酵母せっけん」全面広告があり、椿の力で地域活性する「五島の椿プロジェクト」というのがあるという。 五島では昔の人の知恵で、椿の葉を刻んで手を洗っていたそうで、プロジェクトが開発した「せっけん」には五島の自然と人々の知恵が詰まり、人にも心にもやさしく、「五島の椿」には人々と地域を豊かにする力がある、と。

 あらためて“椿やさい”でネットを検索した。 五島列島・福江島。 島の至る所に咲いている椿を使い、椿の油を絞ったあとの、実の搾りかすなど、天然の肥料で育てるから“椿やさい”。 昔から生活に取り入れられた椿は、実だけでなく葉っぱもとても生命力が強いもので、椿の落ちた花を拾い集めたりしながら、野菜に合わせて必要な時に、その力を借りるという野菜づくりをしているという。 その椿の天然肥料と島周辺の海水を使い、豊かな自然の環境で心を込めてつくる野菜は、驚くほど甘く、体が喜ぶ味がする、と。