一流会社のサラリーマンか、職人か ― 2023/09/19 07:08
向島の「御召足袋かんざき」、亡くなった夫は無口で腕ひと筋の足袋職人だった。 舞は、どちらがプロポーズしたのかと、馴れ初めを聞く。 料亭の娘だった福江が祝いで着物を着る機会があり、出入りの職人だった彼が足袋を作ることになった。 靴下を脱がせ、丁寧に丁寧に足を触って、寸法を取った。 それで、この人と結婚すると思ったのだと言う。 朝ドラ『半分、青い』で見ていた舞役の永野芽郁、臍を出した可愛らしい恰好で、ピチピチと快活な大学生を好演しているのだが、このシーンで、靴下を脱いだペディキュアの足がぼってりしていた。
「足袋かんざき」には、向島の花街の芸者や近隣の相撲部屋の客が来る。 福江は、「九文半、22.5センチ」とか、立浪部屋の明生(本人の出演)に「十二文、29センチ(?)」とか言って、丁寧に包装して、渡すのだ。 足袋、需要が限られていて、若い人は知らないかもしれない。 「ブラタモリ」で行田に行ったタモリが、福岡出身のせいか、足袋の産地なのを知らなかった。 足袋屋で思い出すのは、歌舞伎座近くの大野屋だ。 子供の頃、祖母や母に付いて行ったが、おばあさん(女将さん?)の話す気風がいい江戸言葉が、強く印象に残っている。
大学時代の親友で同期入社の木部にリストラが言い渡され、木部は人事部長の席に来て、フロア中に聞こえる大声で、「知っていたんだろう」と、昭夫をなじる。 会議から外された木部が、無理やり会議に出て、追い出す上司の腕をドアに挟んで怪我させ、救急車を呼ばれる騒動を起こす。 懲戒解雇への流れとなる。
ボランティア仲間、煎餅屋の百惠は割れ煎餅を沢山、ホームレスなどのおやつに小分けするために持ち込んで来る。 旦那は、一日火の前で煎餅を焼き続けている腕のいい職人だ。 昭夫は、その割れ煎餅をかじって、「旨い! 俺もこういう仕事につけばよかった。こういう仕事は、人に喜びを与える。職人の仕事は裏切らないからなあ。」と、泣く。
いろいろと悩みを抱えているのを見透かされた牧師には、「なるだけ、肩の力を抜いて生きたほうがいい。あなたのお母さんのようにね」と、言われる。
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_ 轟亭(明生) ― 2023/09/19 08:24
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