にし茶屋街の芸妓、引き売りの豆腐屋 ― 2023/11/19 08:01
「金沢あじわい冬の旅」、金沢には、ニュースによく出て来るひがし茶屋街のほか、にし茶屋街、主計町(かずえまち)茶屋街の二つがあるそうだ。 旦那衆の遊び場だが、最近は観光客向けのお座敷遊びを楽しむイベントもあり、旦那衆が太鼓を打つ伝統などもスイスから来た女性に体験させている。 にし茶屋街、明月の、踊りの上手さが評判で一番ベテランの芸妓・結(ゆい)さんが、20歳で始めた頃は芸妓が45人もいたのに、今は14人、お茶屋も1/3になったという。 芸妓たちは、名古屋から来る西川流家元西川千雅さんに踊りを復習(さら)ってもらう。 明月のおかあさん、乃莉さんはもうすぐ89歳、最高齢、2013年の金沢おどりで鼓の名手ぶりを披露した石川県無形文化財、結さんのお座敷を外から陰囃子の太鼓で応援する。 だが、結さんが半年前に茶屋を知らない人や若い人にも来てもらいたいと三年計画で始めた自分の店、夜9時から手料理など出すバーには反対している。
浅野川の対岸と隣町、ひがし茶屋街を、チリンチリンと豆腐の車を引いて歩く人がいる。 観光客が声をかけても、遠い所まで持っていくなら駄目、豆腐は生き物、栄養満点腐りやすいと売らない。 パックすると、息ができん、とも。 一丁150円、値下げはしない、自分の味には自信がある。 豆腐屋、高山幸一さん、引き売り最後の一人だ。 父の外吉さんは、64歳で亡くなる前の年まで、引き売りをしていたという。 二代目を継いで45年、70歳から引き売りは週2回にしている。 29歳で豆腐屋を継ぐまでは、カーレーサーを目指していた。 一年間は、引き売りに出られなかった。 おっかさんが「商売は牛のよだれや」と、背中を押したそうだ。
金沢で「ほんこさん」と呼ぶ、報恩講がある。 浄土真宗の開祖親鸞の忌日(陰暦11月28日)に報恩のために行う法会。 蓮如がこの地に浄土真宗を広めて550年。 11月になると、豆腐屋では「ひろず」と呼ぶ(関西で飛竜頭(ひりょうず))大きながんもどき、具材たっぷりの中華まんじゅうのようなのを作り始める。 低温でじっくり揚げる。 「ひろず」は、お寺での法要のあとのお斎(とき)、食事の主役である。 僧侶が訪れる家ごとの「ほんこさん」もあり、仏壇に重要な仏事で使う赤い蝋燭を灯す。
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